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アクサン考

注:以下は新生のアクセント体系がまとまるまでの過程を追ったものです。 紆余曲折しながら言語ができていく様を見るにはいいのですが、学習向けではありません。 学習の際はこれを回避して「アクセント」をご参照ください。 ---- ページ番号:449 ページ名:axlei629 タグ:
編集モード番号:0
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・アクセントが自由アクセントに

以下、辞書からの抜粋。

caf
[言語]アクセント、強勢
[音楽]アッチェンタート
19:ca/fo
[文化]
古アルカは自由アクセントだった。セレンはセが高いがフルミネアはミが高い。
覚えるのが面倒なので制では第一音節にアクセントを拘束した。不定詞が名詞にも動詞にもなるため、この区別をするために、動詞は時相詞をつけてその時相詞を高く読むことにした。こうして動詞だけ後ろが高いというアクセント形式ができあがった。
新生になって時相詞が消えたので、すべて第一音節にアクセントが置かれるようになった。しかしこれではアクセントに弁別性がないのでアクセントとしての必要性がない。
こうして新生は自由アクセントになり、「断りがなければ最初を高く読む」という仕組みになった。
フィンランド語のようにこのまま第一音節にアクセントを拘束する道もあるだろうが、元々自由アクセントの言語だったため、そうはならなかった。
自由アクセントなら固有名詞をきちんと読みたいという要望が出てきたため、アクセント体系が復活した。
かといって単語ごとにまちまちなアクセントだと覚えづらいので、法則を立てることにした。

この流れでモーラが復活した。
アルカでは音は「音素→モーラ→音節→形態素→単語」の順に大きくなっていくと考えている。
音節=モーラなら言語構造が単純になるため、プロトタイプ制ではモーラ=音節にし、CVしか認めなかった。
しかしCVでは多くの固有名詞を発音できなくなるので、音節を採用してプロトタイプは終わった。音節を採用した反動でモーラの概念はいらなくなった。
新生でアクセントの法則を作るときにモーラの概念が必要になり、モーラが復活した。
アルカのモーラは伝統的にCVである。日本語は「ん」を1モーラにするが、アルカではnqであり、「ん」だけで1モーラにはならない。そのため日本語より単純なシステムになっている。

arbazardという単語を分析する。
音素:a r b a z a r d:8音
モーラ:a rq ba za rq dq:6モーラ
短音節:ar ba zar dq:4音節
長音節:ar ba zard:3音節

音節には長短がある。短音節ではCVCを基礎とし、CVCCなどはCVC/CVとする。
長音節ではそのようなことがなくCVCCのまま音節とする。
この区別は歌によって生まれた。歌詞を割り当てるときに、1音符に1長音節を当てはめると歌いづらいため、音節を区切って割り当てた。これが短音節の由来である。
また、歌だけでなく、ゆっくり喋るときの言い方から生まれたと考えるメンバーもいる。ゆっくり喋るときにar/ba/zar/dqと区切って喋ることから短音節が生まれたという考え方である。セレンもこちらに賛同している。

さて、モーラを持ち出したのはアクセントの法則のためであったので話を戻そう。
アクセント法則は以下のとおり。1が一番強い法則である。

1:最後から3番目のモーラにアクセントを置く
2:最初のモーラにアクセントを置く。
3:最後のモーラにアクセントを置く。
4:最後から2番目のモーラにアクセントを置かない。

arbazardの場合、zaのモーラにアクセントが置かれる。
fulmiiaの場合、fu lq mi i aであるから、miにアクセントが置かれ、古アルカと一致する。
cuukiiteの場合、cu u ki i teであるから、kiにアクセントが置かれ、古アルカと一致する。
astenotの場合、a sq te no tqであるから、teにアクセントが置かれる。

qを含んだモーラにアクセントが場合、そのモーラを含む音節にアクセントが置かれる。
ardiaの場合、a rq di aで、rqにアクセントが置かれる。音節にするとar diaであり、rqはarの音節に含まれる。よってarにアクセントが置かれる。asterなども同様である。
同様にfrestiaの場合、fq re sq ti aとなり、アクセントはsqに置かれる。音節にするとfres tiaなので、reにアクセントが置かれる。
kwinの場合、kq wi nqなのでkqに置かれるが、音節にしたときに母音がiしかないので当然ここにアクセントが置かれる。

元々3モーラ以上ない単語は1番が適応できないので、2番が最高位になる。kaxiの場合、kaにアクセント。

モーラがVのみからなる場合、アクセントは前のモーラに移る。
例えばteemsはte e mq sqなのでeにアクセントが置かれるが、Vのみなので、teにアクセントが移る。

ほとんどの単語は1と2で篩えるが、古アルカの単語には変わったアクセントのものがあるので、それを篩うために3と4がある。
artenaやverginaなど(なぜかnaで終わる単語に多いような)、古アルカや古アルカを基に作られた単語のうちのいくつかは、最後にアクセントを持つものがある。
ただしこれはアルバザード人によってもまちまちで、arやverにアクセントを置くものもある。

アクセントの法則は固有名詞から始まったものだが、口に乗りやすいとの理由からか、あるいは整合性を持たせるという理由からか、一般名詞にも及んでいるようである。
vergveit(融資の貸し剥がし)はモーラだとve rq gq ve i tqなので、後のveにアクセントが置かれる。

また、上記の法則とは別に、接頭辞は強く読まず、その次を強く読むという法則も観察される。
顕著なのはalであり、alamitiなどはamitiのaの部分が強い。このため、al amitiとの区別が付きづらくなった。(ポーズが置かれるので、区別がつかないわけではない)

化合物のようなとても長い複合語の場合、途中で区切って、複数アクセントを置く。第一次アクセントのほうが二次より高くなる。

なお、アクセントは母音の上にアクサンテギュ様の記号を付けて表すことができるが、日本語と同じで通常記号を付けない。

新生は審美を重視している。拘束アクセントは学習効率を重視しているため、しばしば言いにくい単語を作る。
新生では音がどのように聞こえるかで造語することが増えたが、どんなに音を良くしようと、アクセントが合わなければ台無しである。
そのため、ちょうど自由アクセントになった事情を活用し、アクセントも綺麗に聞こえるものを選んでいこうという考え方にシフトしていき、この法則に至る。
なお、この法則は古アルカのアクセントを復古させようというのが主眼で、フルミネアが提案したものである。古アルカのアクセントを集計し、自身で法則を立てた。
カーデの作者フルミネアが古アルカを好んでいたことは周知の事実だが、それ以前に制や新生では自分の名前のアクセントが異なっていたのが我慢ならなかったのではないか。
セレンやリディアやクミールやリュウやリーザはすべて第一音節が強いので、彼女の不快感は共有できなかった。それゆえ、彼女がアクセントの復古に躍起になったのは理解できる。
そもそもアルシェの中でフルミネアだけが制になってアクセントが変えられた。古アルカでの解釈はful(一)miia(娘)で、長女という意味。彼女には妹が一人いるので正しい。実際の名前もfulmiiaで妹がmiiaだそうだが、その名は自然言語のもの。
fulは接頭辞で語幹はmiiaなので、miiaにアクセントが置かれる。それで、制では彼女だけが元のアクセントを失った。当然元に戻す機会があれば戻したいのだろう。

ところで、なぜ最後から3番目のモーラなのだろうか。最初や最後は分かるとして、最後から3の根拠は何か。
古は自由アクセントといったが、原始的には第一音節の高い拘束であった。laiやnalutaなど、すべて最初が高い。これは恐らくリディアがフィンランド語を母語としていたため。
ただしフィンランド語と異なるのは、接辞が付いた場合、アクセントは接辞には付かずに語幹に付くという点である。上記のfulmiiaなど、その例である。接辞が入ったことで、アクセントは自由に変わったわけである。
さて、接辞が付いた場合、単語の中身は典型的には接頭辞+語幹+接尾辞となる(もちろん、このうち片方しか接辞が付かないものも多い)。
faiやridiaのような短い単語なら最初にアクセントを置いても構わないが、単語が長くなると、たいてい接頭辞+語幹+接尾辞の構造を持ち、モーラにすると平均6前後になる。
このとき、最後から数えて3モーラにアクセントを打っておけば、長い単語についてはアクセントが語幹にヒットする確率が高くなる。
今回のアクセント法則を打ち立てるさい、アシェットから「8年前のことをいまさら思い出すのは覚えなおしと変わらない。面倒だ」と非難を受けたため、フルミネアはどうにか古アルカの再現率が高いながらも簡単な法則を模索した。その結果が最後から3モーラである。
確かにこの法則はよくできていて、短い単語には適応されないし、長い単語はかなりの確率で古アルカのアクセントと一致する。中々便利な法則だ。


ページ番号:463
ページ名:セレンのアクサン草案
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フルミネアの考えた「後ろから3モーラ目にアクセント」の法則だと、例外が多すぎる。
amavel,amalisは'amavel, 'amalisだが、法則だとa'malisになる。
hardianも'hardianなのにhar'dianになってしまう。
いちいちアクセントを打つのが面倒くさい。どうにか法則化できないか。

また、verginaやartenaやestiaなどはなぜ最後にアクセントが来るのか。
以上2点について考察する。

**平板

ヴェルギナもverginaも最後にアクセントがあるが、実際の発音は平板であり、「アクセント下降が見られない」という意味だ。
「ヴェ・ル・ギ・ナ」が低高高高となり、一度あがったら下がらないことを指す。vergi'naと綴っても、naだけ高いわけではない。
ここがフランス語との違い。conversationだと「ヨォ~ン」の部分だけ高い。幻日はともに後ろだけ高くなるということがない。
これを平板という。

さて、なぜ平板が起こるのか。その理由は恐らく労力だ。人間の声というのは語頭ほど息があるので高く強いが、徐々にダウンステップしていくようになっている。肺は風船みたいなものだからね。
つまり、人間の声はブレスが来るまでは右肩下がりで、\状になっている。(よく分からない人は補足としてカタセシスあたりを調べるといい)
従って、語末を語頭並みに高くするのは、語頭を高くするよりエネルギーがかかる。
それは疲れるので、せいぜい語末を語中程度に上げる。これだと疲れない。語中程度に上げたというのは、言い換えれば「語末でも下がらない」を意味する。
これが結果的に平板に等しい。

恐らく平板は、最後を上げようとしたものの、「下げない程度の努力」しかしなかった結果だと思われる。
人間の発音効率を考えると、それが合理的だ。そこで日本語やアルカも平板を採用しているのだろう。
もちろん採用しない手もあるから、フランス語のような言語もあるわけだ。

**平板の起こる環境

先に用語を定義をしておく。
今のところアルカには長音節、短音節、モーラがある。
このモーラを全モーラと半モーラに分けたい。着想は音楽のピアノだ。

全モーラはCVからなるもので、Cはφでもいい。つまり、a,ma,ka,taなどだ。仮にMとする。
半モーラはCのみ。s,t,kなど。仮にLとする。
なお、短音節をHとしておく。言語学とか読んでれば何となく分かると思うが、heavy,middle,lightの略だ。

どうも平板というのは、語末がMMのときに起こるのではないか。
verginaもartenaもHMMだ。日本語も、カレワラやアメリカなど、最後がMMだと平板化しやすい。
しやすいといったのは、桐原やアメリアなど、平板にならないものも多いからだ。

ただ、少なくとも平板化するためには最後がMMである必要があるようだ。
とはいえ、日本語ではアニリンなど、ンで終わるものも平板化する。だがアルカではそうならない。
これは恐らく日本語ではンだけで1モーラを形成してMになれるからだろう。

**3音節並べたパターン分析

日本語やラテン語ではHかLだけで分析しているようだが、アルカの場合上記の事情で、HMLの3種使って分析している。
HMLを3音節並べると、順列は27通りになる。
このすべてについて、架空の単語や実在の単語を使って、どこにアクセントが置かれるか調べてみた。

http://cid-dd6eff55a81cbf67.skydrive.live.com/self.aspx/arka/27%e7%a8%ae.gif

汚くてすまないが、紙に書いてみた。赤の記号がアクサン。
このうち、HLL,LLH,LLM,LLLはアルカにない組み合わせ。子音の3連続はアルカにないため。(古にはあったが)
こうしてみると、Hの段、Mの段、Lの段と、9個ずつに分けられる。便宜上、1-1~3-9と名付ける。HHHが1-1で、LLLが3-9になる。

まず言えるのは、後ろから二番目を二位とした場合、二位にHが来ればアクサンを置くということだ。
二位がHでない場合、その前の三位にアクサン。
例外はLの段。3-4,5,6はHが二位でないのに、二位にアクサンが来ている。これは直前の三位がLのため。
Lは子音だ。子音にアクサンは置けない。だからしょうがなく二位のMにアクサンを置く。

では、もしHLMHだったらどうなるか。anskitalのような。
この場合、四位のanにアクサンは移らない。やはりanskItalになる。
理由は語末から離れ過ぎているため、根本的な法則である「後ろから3モーラ」を大きく外れるためだろう。
カタカナでアンスキタルとしても、東京人はキにアクサンを打つはず。

さて、二位がHなら二位にアクサン、それ以外は三位にアクサンという法則だが、HMHとMMHは例外になる。
また、HMM,MMM,LMMは一位にアクサンが付きうるが、これは上記で述べた平板のMM条件を満たしているため。
しかし、HMHとMMHは語末がMMではないし、アクサンも二位だ。平板ではない。これはどういうことか。

表を見ると、HかMが最初に来る段は、下にくだるほどアクサンが左にずれている。
ちょうどアクサン候補が2つある例外のHMHとMMHはアクサンが左に移行する境界線に位置している。
グレーゾーンなので移行期間になりやすく、両方のアクサンを持ちやすいということだ。

まぁこの2つがグレーになるのは表の流れから自然としても、問題は両者の区別をどう付けているかだ。
例えばハーディアンとみると、Kakisさんやniasさん辺りは「ハ」にアクサンを置くだろう。僕もだ。
だが、ハーダインだと「ダ」に置いてもいいような気がしないかい。あと、ハーディガンだと「ディ」に置くような気が。

a:hAr/di/an
b:har/dA/in
c:har/dI/gan

表からするとHMHの場合、Mにアクサンを置くのが標準だ。だからb,cは自然。armalet(アルマレット)なんかもマにアクサンでしょ?
だけど、aは違う。どうも――
ai, ei, ouなどの前の母音が後ろの母音より強い二重母音 or diのあとにgaなどが続いて二重母音が起こらない場合
――には表通りb,cのようにMが強く、それ以外ではHが強いようなのだ。

だから、HMHにおいても法則がなくアクサンが揺れるということはない。
きちんと上記の法則に基づいている。(少なくともアルカでは)


次。もうひとつの揺れであるMMHについて。
amavel,amalisなどは最初が強い。amAlisはヘンだ。
しかしalkamalisの場合は、alkamAlisになっても良い気がする。かといってalkAmalisでもいいような気がする。
つまり、MMHの前に何かついてHMMHなどになると、二位にアクサンが置かれる場合も出てくるということだ。

えぇと、キルヒアイスはkil/hi/a/isだから、HMMHか。僕は二位に置くね。
でも、もしこれがキルヘイオスだったら、構造は同じkil/he/i/osなんだけど、三位に置く。
で、思ったんだが、これもhardianのときと同じで、二重母音の強い方にアクサンを置いているに過ぎない。
二重母音を防いだキルヒタイスの場合、kil/hi/ta/isとなるが、この場合二位でも三位でもどっちでもいいやという感じになる。ちなみに僕は二位だが。

**平板の起こる条件

平板はMMのときに起こるが、恐らく全体として3~5モーラのときが生じやすい。それ以上になるとアルカでは起きない。
日本語の場合、「腹いた止め」は6モーラだが平気で平板だし、「ぼうそうしょうねんどめ」なんかは果てしなく長いが平板だ。
アルカで平板が許されるのは多分3~5モーラ。最も出てくるのは4モーラ。vergina, artena, arteaなど。

表に当てるとvErgina, Artenaが標準なのだが、MMなのでverginAも許容される。
元は前者だから、アクサンを付けるなら平板のほうということになる。

平板になるか否かはハッキリ言って不明だ。まったく同じ構造のarmivaだとArmivaになり、平板化しない。
よく平板化は慣れた語に起こるというが、それは日本語の話。実際armivaのほうがartenaより頻度が高いのに、平板化するのはアルテナのほうだ。

**まとめと展望

ハッキリ言ってアクサン記号をつけたくない。面倒だから。
だから法則をできるだけ現象に近付けたい。

上記の表の法則を使えば、篩えないのは「揺れ」2種と「平板」3種だけだ。
揺れのうち、HMH(hardian)は謎が解けたので、法則化できた。つまりいちいちアクサンうたなくてもいい。
MMHはAmalisが一般的だが、kilhitAisになることもありえるわけで、ここがいまいち法則化できない。
だが、kilhItaisはなにか不自然なので、頑張れば法則が見つかるかも。

あと、平板についてはお手上げ。読者の中にもアルテナのルを強く言う人だっているだろう。
というわけで、MMHと平板についてアクサンを振る形になりそうだ。
だが、できればMMHは法則を見つけたい。あと、平板に法則が見つかれば神。

ちなみに今回の法則を立てるのに窪薗あたりを読んだが、どうもアルカは日本語ともラテン語とも異なるようだ。
窪薗だとこっちでいうHMHとMMHを区別できない。だからAmalisが自然でalmAlesが自然なのはなぜだろうという問いが持てない。
アルカはalmAlesについては日本的で、Amalisについてはラテン的で、要するにどっちでもないということになる。

だが、日本語やラテン語と異なるといっても、大体の読みは東京弁と同じなので、少なくとも自分には楽。
面白いことに、論文を見たり内省した結果、東京弁とアルカはラテン語に近く、関西弁に遠いということらしい。不思議だ。同じ日本語なのに。

そういえば、古アルカのアクサンって誰がどうやって積み重ねたんだろう……?
自分が作った単語は少ないし、リディアの作った単語は第一音節にアクサンが来やすいはず。
だが、古アルカの固有名詞を見ていると、結構上記の表に従っているし、平板すら備えている。
アルマディオの古アルカのアクサンはマだ。アではない。しかし造語者はリディアだ。フィンランド語の応用ならアー!ルマディオッみたいになるはずなのに。

おまけ
今までの話のまとめの表

http://cid-dd6eff55a81cbf67.skydrive.live.com/self.aspx/arka/variant.gif


ページ番号:464
ページ名:エクスデスとイクスタン
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どちらもスペルで書くとek/s/desとik/s/tanなので、HLHになる。
だが、東京人はイクスタンはイを強くすると思う。エクスデスはスが強い。まぁ、FFプレーヤー限定かもだけど。

ただ、エクスデスというときのスはsuと発音している。
一方、イクスタンというときのスはsだ。
だから、実はエクスデスはek/su/desで、HMHなのだ。

で、上の記事の表でいうと、HMHはMにアクサンなので、OKということになる。
一方、ik/s/tanはHLHなので、Hにアクサンということになる。
一見例外に見えて、ちゃんと規則に従っているのが不思議だ。

ちなみにこれは日本語の話。アルカだとeksdesもikstanも最初が高い。間に勝手に母音uを挿入しないため。



ページ番号:465
ページ名:有限少数なアクサン体系
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アクサン体系は無限にあるように感じられるが、煮詰めるとむしろ少ないようだ。
日本語とラテン語とアルカなど、どれも関係ないが、すべて似ている。

文法では、SOVならANを持つなど、ひとつ決まるとあとは雪崩式に決まることが多い。
結果、比較言語学的に無関係な言語間でよく似た文法になる。
恐らくアクサンも同じ。人間は規則だったものを好むので、ひとつ決まれば雪崩式に決まっていき、結果的にいくつかのアクサンパターンに収まる。

さらにいえば将棋にも似ている。駒の動かし方は初心者には無限に見えるが、煮詰めると定石ができてきて、一定の動かし方が出てくる。
チェスも同じ。オープニングでd4のポーンに対してd5ときたらクイーンズギャンビットだから、そこからインディアン防御に切り替わるのは不自然。
ひとつ流れができると、定石どおりに動く。恐らくアクサンも同じ。

だから一見関係ない幻日でも、流れが同じになってしまえばかなりの割合で同じになる。
逆に、東京弁と大阪弁はしばしばアクサンが鏡像になることがある。橋と箸が逆になるとか。(自信ないw 合ってるかな?)
同じ日本語でも、東京弁が東に流れる川だとすると、鏡像関係にある大阪弁は西に流れていくことになる。だから、同じ言語なのにまったくぶつからない。
もっとも、大阪弁と東京弁で同じアクサンになるものも多いだろうけど。
そういうわけで、全然関係ないラテン語に似るということが起こる。むろんアルカとも。

そう強く思ったのは、フルミネアのアクサン体系を聞いてから。
北欧出身でリディアと同じでないという時点でスウェーデンかノルウェーになると思うが、どちらも日本語ともラテン語とも異なっている。
でも、彼女が作ったアルカのアクサン体系は日本語とラテン語に似ている。

もうひとつの理由が、日本人でないリディアとメルが母語でないアクサン体系でアルカを話していたこと。
もっとも、初期は母語に影響されていたが。
だから、比較言語学的な近さがなくてもアクサン体系が似るというのはあるのだなと思った。

もうひとつ傍証を挙げると、セレンが作った制アルカのアクサン体系はフィンランド語と同じで、日本語と異なる。
逆にフルミネアが作ったのが北欧語と違って日本語と同じというのが面白い。比較言語学的な近さがなくてもアクサン体系が似ることはありえるという証拠だ。


ページ番号:468
ページ名:平板を選ぶ理由
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アルカのアクサンは大文字で示す。日本語のアクサンはカタカナで示す。日本語は東京弁を前提とする。

ヴェルディアもアルテナも、ルにアクサンを置くか、平板化する。エスティアは平板化する。
verdiaはvErdiaで、artenaはartenAになる。estiaはestiAになる。
幻日を比べると、ヴェルディアだけ食い違っている。

平板は語末がMMのときに起こる。日本語の場合、ンは単体でMになれるので、ファザコンなどは平板になれる。
また、平板は4モーラ前後で起こりやすい。例えば7モーラで平板をすると、声の高さを最後まで維持するのが疲れるので、アルカはしない。ただし日本語はする。
この実験をリディアでしてみた。「ぼうそうぞくしょうねんどめ」という架空の単語を発音させたら、やはり平板にせず、「ぼうそうぞく」と「しょうねんどめ」で切っていた。この実験を日本語がビタ一分からない外人で試してみたい。

語末がMMの場合、平板にするか否かに分かれる。では平板を選択する理由は何か。

ヴェルディアもアルテナも「ル」にアクサンないし平板だ。
しかしエスティアは「ス」にアクサンはおかしい。もしアクサンを置くと、発音が変わる。estiaという発音から、esutiaに変わる。
そう、日本語はエスティアといっても実際はestiaと発音しているので、sにアクサンを置こうとすると母音を挿入しなければいけない。そこに違和感を感じる人はエスティアを平板化する。
日本語の場合、ルは元々luと発音するので、アクサンを置ける。だからアルテナは「あルてな」でも「あるてナ」でもいい。

もうひとつ平板化する理由がある。緯音の存在だ。estiaにおいてsは緯音になる。これについて説明する。
もしエスティアを平板化せず、かつ「えスてぃあ」にもしないとしたら、「エすてぃあ」にするしかない。
では、「エすてぃあ」を発音してみてほしい。sが次のtiを発音するために下がったでしょう?
一方、平板の「えすてぃア」を発音してほしい。平板は実際には低高高高と発音する。こうなるとtiを上げるために、自然と緯音のsが上がる。
子音には音程がつけられない。だが低高という流れの中にあれば、相対的にその子音は高く聞こえる。

本来日本語の場合、外来語は後ろから3モーラ目にアクサンを置く。
だからエスティアは「えスてぃあ」になるのが原則だ。
しかしスはsと発音しているので、アクサンを置きがたい。
そこで「エすてぃあ」にするか「えすてぃア」にするかの選択になるが、平板を選べば本来アクサンのあったsの部分が擬似的に高く聞こえる。
だからエスティアは平板化しやすい。

ではsでなくkなら?
同じことだと予想される。無声閉鎖音なので。
検証してみると、aktaka(アクタカ)という単語は幻日ともに平板化する。クにアクサンを置けないからだ。

一方、ヴェルディアは違う。ルにはアクサンが置ける。日本語では平板化してもしなくてもルを強くできる。平板化しても結局ルで上がるので同じこと。
しかしアルカはそうではない。verdiaの後ろから3モーラ目はrだ。rは子音なのでアクサンが置けない。だから平板化する。
と、ここまではestiaと同じ。しかしverdiaの場合、vErdiaもありえる。Estiaはなかったのに、vErdiaはある。ここが違いで、なぜそうなるのだろうか。

それはrがsと違って有声子音で、しかも母音に近いからだ。つまり直前の母音eと音声学的な性質が似ているということだ。
ここでvErdiaと発音してほしい。なるべく母音に近づけて「ヴェルディア」ではなく「ヴェーディア」っぽく。一方、Estiaもお願いする。
どうだろう、rのほうがsより高いではないか。なぜかというと、rは母音に近いので母音に引っ張られるからだ。

つまりrでは頭にアクサンを置いても、rも母音と混ざって高く発音され、アクサンっぽさを失わない。
本来ve/r/di/aだと3モーラ目はrだから、ここを高くしたい。それができないから平板化するのだが、veを強くしてもeに引っ張られてrが高くなる。
だからestiaと違い、verdiaは平板だけでなくvErdiaもあるのだ。

そしてこれが何かというと、armivaとartenaが音節が極めて似ているのに、armivaはArmivaでartenaはartenAと分かれていることの説明が付くのだ。

さらにもうひとつ追加しよう。
もしasmivaとastenaだった場合、どうか。rをsに変えただけだ。すると面白いことが起こる。
asmivaはAsmivaもasmivAもどっちもありえると思うだろう。もっと言えば日本語の場合、「あスみば」が一番しっくりくるということもあるだろう。
一方。astenaはestiaと同じく平板が自然で、Estenaは苦しいと感じるはずだ。

これはsの同化による。asmivaのsは同化によって有声化しやすい。さながらazmivaのように。
となると先ほどのrと同じく有声音になるから、verdiaとかと同じく頭が高いパターンもありえるというわけだ。
一方、日本語で考えた場合、アスミヴァのスは同化して有声化しやすくなるため、ヴェルディアのルと同じく、後ろから3モーラ目の「ス」にアクサンが置きやすくなる。
そのため、アルカと異なり「あスみヴぁ」か「あすみヴァ」になり、「アすみヴぁ」は排除される。
だがいずれにせよ、sの有声化が両言語に影響を及ぼしているのは共通だ。
(ちなみにこのsは実際にzと発音されるといっているのではないので注意。同化によって耳が引っ張られるという意味でのみ使っている)

なお、語末がMMでも同じ母音が連続すれば、平板化は防がれる。
hestaaの場合、hEstaaになる。これはhestaAが極めて言いにくいからだろう。

まとめると――
1:平板化は「CV C CV (C)V」において、C2,C3ともに無声音である際、最も起きやすいといえる。
 その理由は本来アクサンが置かれる後ろから3モーラ目にある緯音であるC2を少しでもアクサンのように高く見せかけるため。
2:C2が有声音の場合、語頭アクセントも可能性が出てくる。
3:C3が有声音の場合、C2の有声化により、語頭アクセントも可能性が出てくる。
4:語末に同じ母音の連続があれば、平板化はしない。
5:もし「CV C CV (C)V」においてC2とC3が清音なのにアクサンを置くなら、母音添加が起こる。だが、アルカでは起こらない。

――となる。恐らくアルカでも日本語でも言えることではないか。
反論募集中。


ページ番号:469
ページ名:HMHとMMH
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揺れが起こるのはHMHとMMHだけ。ここを法則化できれば揺れが消える。
HMHにおいてはhardian,hardigan,hardainはそれぞれhArdian, hardIgan, hardAinだ。
HMHの基本はMにアクサンなので、例外が出ている。これは困る。

昨日の夜に魚楠さんから、「音節でも考えたらどうかい?」というのがあって、「そうだにゃあ」と思い、音節も踏まえて考えてみた。
そこで、新たな概念を導入してみる。
語末のMHにおいて、CV VCになるパターンは、実質長音節を作る。main,kainなど。
この中の二重母音の強弱の関係を見ると、mainではa>iになっている。>の流れのあるものを強音節と呼ぼう。それ以外は弱音節と呼ぶ。

強音節は>の流れを持っているので、アクサンが付けやすい。アクサンを付けると最初は高く後ろは弱くなるから、>の流れを持つため。
dainは>なのでアクサンを付けやすいが、dianは<なのでアクサンを付けにくい。
普段はこの差を意識しないが、hardianのような単語になってくると違いが出てくる。

強音節をXとし、弱音節をYとする。
XYを導入すると、HMHは以下の3種に分かれる。

1:HMH:har/dI/gan:HMHの基本法則に基づき、Mにアクサン。armalet,artalesなども同様。
2:HX:har/dAin:Xにはアクサンを付けやすいのだから、Xにアクサン。カーマインとかもそうだね。
3:HY:hAr/dian:Yにはアクサンを付けにくいので、前の音節にアクサンを繰り上げる。iの後ろのaにアクサンを置いたら元も子もない。弱と強に分けた意味がなくなる。

――このように振るえば、例外なく篩える。

同じようにMMHについて。
アルカではAmalis, Atolas, agEit, kAmian, rIdianのようになるが、篩えるだろうか。

1:MMH:A/ma/lis, A/to/las:法則どおりM1にアクサン。
2:MX:a/gEit:Xにアクサン。アテイン、カノイン、ヒャダインとかもそうだね。
3:MY:kA/mian, rI.dian:前の音節にアクサンを繰り上げる。

――こちらもきちんと篩えた。
この法則は中々いい。音節だけで考えるとラテン的になるし、モーラだけで考えると日本的になる。どちらにしてもアルカの音声は篩えない。
しかしこの法則だときちんと篩える。揺れがない。

ちなみに、amaiはMXではない。Xの定義はCVVCだし、そもそもMMMになってしまう。MMHの仲間ではない。
同じくariaもMYではない。MMMであって、MMHの仲間ではない。

ただし、音だけではどうも篩えない例もある。kanxionもarxionもHYだが、kanxIonやarxIonのほうが自然。
これは意味のせい。カン(父)・シオン(紫苑)、ar(神)・シオン(紫苑)だと脳が思っているため。
これが意味のないレンピオンだったら、ウチの連中はlEnpionにすると思う。
法則からいけばkAnxionやArxionになるが、意味的にどうかなぁ。多分、どちらも間違いではないと思う。

**まとめ

・HMH
HMH→Mにアクサン
HX→Xにアクサン
HY→Hにアクサン

・MMH
MMH→M1にアクサン
MX→Xにアクサン
MY→Mにアクサン


ページ番号:470
ページ名:法則と例外
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上の記事までで、次のことが分かった。

1:音節の順列は27種。足りなければ頭に音節を足すが、足してもアクサンに影響しない。
2:二位がHならそこにアクサン。そうでなければ三位にアクサン。
3:三位がLならそこにアクサンは置けないので、二位に繰り下げる。
4:HMHとMMHは一見アクサンの位置が単語ごとに揺れる。だがX,Yを導入すれば揺れない。
5:語末がMMだと、平板化の可能性がある。平板化にはしやすさの階梯がある。

さて、これを踏まえると、アクサンをつけるべきものは次の2つと分かる。
1:平板
2:例外

1は既に見た。
2は具体的に何か。

例えばfaramon。fa/ra/monと区切るとMMHなのでfAramonになる。これが法則どおり。
しかしこの魔族の名前は実はfar/a/monと区切る。するとHMHになるので、farAmonになる。よって音訳は「ファラモン」ではなく「ファルアモン」
アクサンの付け方は法則どおりだが、音節の切り方が普通じゃない。これが例外の例。

次。baltirのように「母音+r」で終わるものの一部は、後ろにアクサン。
音訳はバルティルからバルティールに変わる。emirもemIrで、音訳はエミール。
これらは単語ごとに覚えるしかないので、アクサン記号を付ける必要がある。

kmiirなどは法則通りにiにアクサンが来るので、わざわざアクサン記号は要らない。
ちなみにこの「ール現象」だが、クミールの名前が原因な気がする。
元々彼女はkumiirだったが、制アルカではkUmiirになってしまうのでuを落とした。
lferもそうで、luferだったが、制ではlUferになってしまうのでuを落とした。
どうもアルカという言語は、法則を破ってでも「ール」という音にアクサンを置きたがる強い力があるようだ。
アンヴェルだってアンヴェールになった可能性もあったわけだ。
――と思ってリディアに得意げに言ったら、「アンヴェルはアンヴェールにならないよ。ルフェルみたいにlqferというようにシュワーで発音されていた弱い音節だから、qが落ちたの。anはnを落とせないでしょ」といわれた。
西洋人鋭すぎるw じゃあバルティールはなんでだよと突っ込んでおこう。


ページ番号:471
ページ名:日本語との異同
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アルカのアクサンはラテン語と日本語に似ているが、少し違うという結果になった。まぁセレンやリディアには楽だわな。
だが異同があるし、こんだけ法則を模索するってあたり、やっぱゼロから作っただけのことはある。
アプリオリ自慢はいいとして、とっとと異同について。

日本語の場合、外来語は後ろから3モーラにアクサンという原則があるが、センテンスなど、原語に合わせたものがある。
しかし、アンタレスのような不思議な単語もある。法則からいうと「あんタれす」だし、原語でもアにアクサンはない。勘違い語かな?
アンタレスとかは日本語とアルカが一致しない。ヘキサゴンも不一致。アルカだとhekisAgonになる。

次。促音・撥音・長音が日本語では特殊モーラになるが、アルカには存在しない。
これらを含むと異なってくる。特にトで終わるものは「ット」になることが多いので、かなりずれる。
アンクノットとかアステノットとか、アルカと全然異なる。
ご存知のようにアルカはtで終わるものが非常に多いので、けっこう異なってしまう。面倒くさい。

次。二番目に「ル」や「ン」が来る4モーラの言葉。これがかなり厳しい。
アルカは「アル」で始まる単語がむちゃくちゃ多いので、ずれが激しい。
「アルシア」はルにアクサンだが、アルカだとそこは子音なのでアクサンを置けない。
4モーラ以外でも起こる。アルシオンはルにアクサンだろうが、やはりそこには置けない。
ちなみに二番目がスでもクでも同じようなものだが、ルほどアルカにはない。

とりあえず、子供が増えても二文字目をルにしないことにしよう。日本語とアクサンが変わるとややこしすぎる。
ラッキーなことに、ゆうた、るしあ、ゆると、全部最初だね。制でも新生でも同じ。よかった……。
はいれん、あまヴぇる、もOKだね。よかった。


ページ番号:472
ページ名:揺れについて補足
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MMHはM1にアクサンがメイン。Amalisなど。
しかし前に何か付くとHMHと同じく真ん中のMにアクサンが移ることがあるようだ。

例えば魔族lastiAdin。ほかにもfremAzer国。
だが、もともとAmalisなものに何かを足した場合、valAmalisのようになり、アクサンは動かない。

あとこれはHMHへの補足でもあるが、MMHとHMHでアクサンがどちらか迷ったとき、前に上げた音の規則以外に、意味の区切れでアクサンを振ることもあるようだ。
valAmalisがその例だ。fremAzerも意味的にfrem/azerなので、意味でも切れている。

あと、LMLについてはMにアクサンだ。skitのように。
しかしlanskitのようにsが前の形態素の所有物の場合、lans/kitで切りたいなという意識が働くので、lAnskitになりうるようだ。

どうも音だけでなく意味の区切れも手がかりにしているらしい。
トートトー、トートントーのようにビープ音だけで検証すれば意味は関わらないと思う。

さて、これで問題なさそうなら提案してみよう。
あとは実際それでやってみたときにどんだけ例外が出るかだ。

で、アクサンの付け方だが、アクサンを置く音節の後に置くことにする。
理由は2つ。
1:'ardianにした場合、辞書では'のほうが文字より早いので、この単語がaのところに来なくなる。
2:ほとんどアクサンは平板用なので、vergi'naみたいのが多い。vergina'としたほうが単語が分断されず、きれい。

さて、神古サイトを直すか。


あと、念のため、HMH, MMH, 平板, 例外の4種には付けようかと思うんですが。
その場合――
PDICの見出し語検索→あいまい検索語設定→特殊文字を無視する→'を登録
――してもらう必要があります。各自に。でないと単語が検索できなくなる。 

二位にHが来るものは付けなくていいし、二位にMが来てHMH,MMH以外はこれも付ける必要がない。
HMH,MMHは法則はあるものの、揺れは揺れだから、つけたほうが統一を図れると思うんですよ。


ページ番号:473
ページ名:メルの案
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セレンの案は法則が多すぎる。人間はもっと簡単な規則で動く。
以下はセレンの案を受けたメルの案。便宜上「我々」には東京弁も含めておく。

<前提>
1:二位Hがなら、二位にアクサン。
2:そうでなければ、三位にアクサン。

この規則を持つと、我々は長い単語「************#」を見たときに#から数える癖がつく。
しかし日常のほとんどの単語は「*」か「**」で収まる。短い場合、上記の法則を当てはめると最初にアクサンが置かれる。そのため、後ろから数える必要がなくなる。
この結果、我々は「短い単語を見たら迷わず語頭にアクサンを置き、上記の前提を用いない」という怠け癖がつく。
そして、「長い単語を見たら面倒だけど後ろからカウントする」という癖が付き、2つの癖を持つようになる。

実際、我々はfain,fianなどは、見た瞬間頭にアクサンを付けている。反応速度は速い。
だが、これがfialentになると「ん、なんか長そうだ。数えるか」と思うので、時間がかかる。
フィアンだと迷わずフィにアクサンだが、アルバザードだと「読みながら目を右に移しつつ、カタカナの終わりが見えたら、終わる2,3個前でアクサンをつける」という処理をするため、反応が遅くなる。
確かに我々は日常的にそうしている。

2つの癖を持っているので、長い方が法則を適応する手間がかかるので、できるだけ短い方がありがたい。
問題はどの程度で長いと言えるのかだ。そして長いと短いの境界線がHMHとMMHなのだ。
MMHはCV/CV/CVCで、amalisのような単語だ。ここがギリギリ短い境界線なのだ。だからamalisはAmalisになる。
一方、HMHはCVC/CV/CVCで、これがギリギリアウトで、長いに当たるのだ。だからalmalisはalmAlisになる。

また、MMHは「ギリギリ短い」という扱いなので、単語全体が長くなってHMMHなどになった場合、「長い」と判断される。
そのため、HMHと同じように、真ん中のMにアクサンが置かれるようになる。lastiAdinはHMMH、fremAzerはLMMHの例。
ただしvalAmalisはもともとAmalisという単語があると脳が記憶しているため、アクサンが動かない。

――以上。
メルの案は「短ければ考えずに頭」「長ければ考えよう」という、彼女らしい発想で、面白い。
これなら人間の感性にも合っている。

ただ、これだけだとhArdian, hardIgan, hardAinは篩えないんじゃないかな。
メルの案だと、27種すべてのアクサンの位置を「長さ」でサクっと片付けられる。ただ、HMHとMMHのアクサンの揺れについては説明がない。
HMHのデフォがMで、MMHのデフォがM1だということは分かるが、非デフォが選ばれる際の理由については述べられていない。そこはセレンの案を使わないといけないということだろう。

だが、これは進歩だ。まず27種をすべてサクっと篩える。
で、非デフォの2パターンだけ後々考えればいい。このやり方はスマートで、人間が処理しうる仕事量だ。


ページ番号:475
ページ名:リーザの案
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セレンの挙げた27分類では、篩えない例が出るとして、以下リーザの案。

lIvlpit(産科)とtezspEl(ピリジン)が区別できず、HLHに入っている。
これを区別するために、長音節を導入。CVCCとなるものをSとする。

また、27種をよく見ると、MMLはMHとも取れ、2音節だ。
MHはMMLのvariantとして働く。

↓確かにそうだ。それを受け、Sとvariantを加えて表を書き直した。
http://cid-dd6eff55a81cbf67.skydrive.live.com/self.aspx/arka/formula.gif

HLHはSHとHSに分けられた。これでlIvlpitとtezspElが区別できる。

また、27種すべて3単位だと思っていたものが、1~3単位まで幅が出てきた。
長いのはHHHのような3音節。短いのはMLLのvariantであるSのような1音節。
引き続き、音節を後ろから数えて一~三位までと呼ぶ。

アクサンの法則:変域は四位まで。若い数字の法則が優先。
1:二位までのSにアクサン
2:二,三位のHにアクサン
3:三位のMにアクサン
4:二位のMにアクサン
5:四位にアクサン

HLMはSMにはなるが、HSにはならない。filski(ベンチ)のskiは後ろに子音が2個足りないのでSになれない。
そしてfilskiの実際の発音はfIlskiだから、理屈と整合する。
同じ理由でMLHはMSにならず、MLMはMHにならない。

また、MMLはMHと捉えなおすこともできる。
そのため、MHの前にL,M,Hのいずれが来るかで、その後の振る舞いが変わる。例えばMMHになったりするわけだ。

さて、この法則は「語末から少し離れたところにある最も大きな音節を探す」作業に等しい。
これで篩えないのが例のHMHとMMH。これについてはセレンの案のとおり。
MMHは前に何か来れば真ん中のMにアクサンが来るのも同じ。fremAzerなど。
http://cid-dd6eff55a81cbf67.skydrive.live.com/self.aspx/arka/HMH%7C0MMH.gif

なお、daizailaiは法則に従うとdaizaIlaiだが、二重母音なのでdaizAilaiに繰り上げる。
ただし、もし意味的にdaiza/ilaiで区切れるなら、daizaIlaiでも可。

**LMLはSになる。ならLML自体不要では?つまり、variantがあるものはformulaを消してもいいのでは?

確かにskItはLMLでSになる。しかしlanslil(ビスマス)はlans/lilで区切るので、sはlilのものでない。
従って発音はlAnslilになる。もしSしかなかったらlanslILになってしまう。
こういった理由からformulaは消さないほうがよい。つまり、モーラ単位を捨てないほうがよく、音節とモーラの両面で考えたほうがよい。

**まとめ

Sを入れて、より例外処理が進んだ。
逆にSを入れることで、日本語からの距離は遠くなった。日本語は音節から考えないので、もはや日本語のアクセント体系とは異なる。
悪く言えば判断が面倒。良く言えば完全にアプリオリになった。


ページ番号:476
ページ名:平板化の傾向
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平板化するか否かは人によって違うし、自分の中でもあやふやだったりする。
どうも平板には法則がない。しかしアルテナはほとんどの東京人が平板化するはず。
傾向はあるはずだ。それは何だろう。手当たりしだい調べてみた。

1:語末がCVCVだと起こりやすい。

arbanA,magatAなど。

2:VCVVだと起こらない。

Amai,Anaiなど。

3:語末がCVVだと、CVCVほどは起こらない。

aRdia,aLsiaなど。

4:三位(後ろから3モーラ)が清音連続の場合は平板化しやすい。

estiA,aktakAなど。
エスティアは日本人が読むとestiaとなる。しかしアクサンは本来三位のeStiaに来る。
だがSは子音なので、アクサンを置きがたい。このような場合に平板化しやすい。

4':三位がlt,ldのようになり、間のuを落とす場合は平板化しやすい。

artenaなど。アルテナと発音する日本人は実際にはaltenaと発音している。
lは側面音で、発音後も舌を離さない。そのまま舌を動かさずにtに移行できる。だから間の余計なuが落ちる。
逆にtlは不可能。tで一度舌を弾いてしまうため。

artenaの発音はaltenaとなるので、アクサンはaLtenaになる。が、Lにアクサンは置けないので平板化しやすい。
armivaは日本人が発音するとalumibaになる。uは落とせない。だからartenaよりは平板化しにくい。
アルカの場合、armivaをalumibaと解釈しないので、この限りではない。

4と4'をまとめれば、「三位と二位の間の母音が落ちる場合は平板化しやすい」になる。

5:CVV CVは平板化しない

xIona,fIonaなど。

6:4モーラ前後に平板化は起こりやすい。長すぎると起こりにくい

magatAは平板化するが、仮にfionamagataというのがあったら、fionamAgataになる。

7:CVV CV CVは平板化してもよい

xionanaというのがあれば、xionanAでもよいかもしれない。


検証

arteAは日本人はalteaと発音するので、4'どおり平板化する。
alsiaはls間のuを落とせないので、alUsiaとなる。

arteAとaRdiaは同じ構造だがアクサンが異なる。前者は4'を優先し、後者は3を優先した結果。
ここから分かるのは、4'と3は等価であり、優先順位はないということ。

また、傾向0として「意味の区切れを最優先する」を加えたほうがいいだろう。
そもそもxionaはxionから来ているので、語末がMMでも平板化しない。

展望

まだまだ挙げれば傾向はあるはず。
しかし、たくさんの規則を人間が適応するはずがない。
たくさんの規則を使わない、もっとシンプルな理屈があるはず。
あるいは、これらの規則に基づいて判断しつつ、ふだんは似た単語からの類推で済ませ、労力を減らしているのか?

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