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xeとfiの語法

xeは特定で、fiは不特定(任意)である。

xeの用法:既知か未知か。不変か可変か。

既知:今日ある人に会ってきた。
未知:あの子、クラスのある人が好きなんだって言ってたけど、誰だろう?
不変:ここにある定数aがある。
可変:誕生月をxとする。(今日の日付をxとするでもよい)

誕生月は人によって異なるが、Aさんにとっては常に同じ数値となる。
たとえばセレンなら2になるし、リディアなら7になる。
人によって異なるが、かといって同一人物の間で変化することはない。
2や7は任意の数ではない。よって任意と可変は異なる。もし可変か任意なら可変の用法はxeでなくfiに行くはずである。


一方fiの用法は。
1~10の数があるとしたら、そのうちどれでもいいのでどれかの数を指す。
その数が既知だったり未知だったりするかもしれない。
一度決まった数がその後維持されて不変かもしれないし、変わって可変かもしれない。
いずれにせよ任意かどうかで決まり、特定でないことを示す。


しかし、これだけ用法を定めていてもxeとfiのどちらを使えばよいか迷うことがある。
「愛するということは誰かを強く好くことである」と定義した場合、"tiia eks siina xe ati vart"とするのか、このxeをfiとするのか分からない。
xeとfiで迷う場合というのは、どちらを使ってもいいように感じられるときである。

なぜこうなるのか考えた。すると視点人物という概念が浮かんだ。
この定義は完全に当事者でない客観的視点、4人称視点で見ると、「誰かしらの人間が誰かしらの人間を好きになること」なので、fiに感じられる。
辞書の定義としてはなんとなくこうしたい。

ところがふと思う。
「誰かしらさんにとって好きな相手は誰でもいいわけではなく、特定の誰かが好きなわけだから、ここはxeではないか?」
これは当事者視点である。そう、視点が誰になるかでxeかfiか異なるのだ。
だからわれわれはxeかfiか迷うのだ。用法というよりも、視点で迷ってきたのだ。

ではどの視点を選ぶべきか。基本的に後者でいこうと思う。
文の視点人物、通常は主語に合わせようと思う。
小説の地の文でもなるべく主人公なり視点人物なりに合わせたほうがよいだろう。
「彼はある女性が好きだった」という場合、el視点だとfi minになってしまうが、読者の感覚からすれば彼から見ているからxe minとなるのが自然だろう。

なお、基本をxeとしておくといいこともある。
たとえば「無差別殺人」の定義は"set fi lan"だが、「復讐」の場合は"set xe lan"とするのが自然に感じられるはずだ。
ここでel視点にするとどちらもfi lanになってしまい、無差別なのか特定の人物を狙ったのか分からなくなる。
われわれの関心は視点人物にあって超越者的視点ではないので、どちらもfi lanにされると解釈に困るわけだ。

そういうわけで視点人物から見た特定か不特定にするとしたら、dkの記述をいくらか修正せねばなるまい。
だが、これで今まで不安定だったxeとfiについては問題なくなったように思われる。

ちなみに、fiは基本的に単数だが、fi lan seinとかfi seinとかで任意の複数を指すことができるだろう。聞いたことないが。
veiはどうもxeの複数で使われるようで、あれは特定だろう。どうも任意になった瞬間数がぼやけるらしい。

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