アルカの人工言語学的な意義
言語と文化と風土がすべてオリジナルであるという点。そしてそれらを詳細に創り込んでいるという点。
この組み合わせが人類史上初の試みであり、そこに学問的・芸術的な意義がある。
古アルカは自然言語が流入していたし、制アルカは機械的で人間の言語とは言えなかった。つまり作り込みが足りない。
新生アルカは純粋に「架空の自然な言語の制作」であり、どこまで作り込めるか試すことに学問的および芸術的な意義がある。
これは最も国際補助語とかけ離れた方針である。エスペラントの場合、いかに普及できるかということが念頭にある。
言語の普及は社会活動であり、言語活動とは別物である。エスペラントと違ってアルカの作者の専攻は言語学だったこともあり、社会的な活動よりも言語的な活動のほうに興味がある。アルカの作者がむやみにアルカを広めようとしないのもここに理由がある。
現行の人工言語の世界はエスペラントを中心とする国際補助語の独擅場である。
エスペラントが価値観の尺度であり、パラダイムですらある。価値観が国際補助語だけに偏っている。
アルカの存在は新たな価値観を提案する。この意味で、アルカは人工言語史上の意義がある。
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