Reallangの限界

2015/11/8 seren arbazard

Mark RosenfelderのThe Planet Construction Kitを娑婆ぶりに読みました。こいついつもそうなんだけど、「誰でも知ってるよな」という当たり前の知識を、世界を作るために必要な分野分「現実ではこうなってますよ」と言ってるだけ。広く浅く。そして「なぜ地球でそうなっているのか」については説明しない。「トールキンのホビットがじゃがいもを食べていたが、じゃがいもは新大陸のものなので悩みどころ」と言う。じゃがいもが新大陸産なのはconworlderなら誰でも知ってる。なのでそんなことを今更指摘しても意味ないし、conlangerはじゃがいもについて書くときRosenfelderでなくWikipediaを見ればいい。

conworlderが知りたいのは、「自分の世界にはどういう理由でどの地域にじゃがいもがあるべきかないべきか」であって、それには答えない。「中学生が読みそうな雑学本の知識をひたすらまとめました」って感じで、「それでこの本使って実際にconworldをリアルに作るにはどうすればいいの?」ってなる。
でも結局conworldなんて広いし、「なぜ○○は××なのか」をあらゆる分野で考察して作るなんて無理だ。例えば宇宙や脳の仕組みだってまだ解明されてないのに、どうやって世界の全てを作れと。その点で、こういうハウツー本は意味ないし中途半端だし、個人で十分には書ききれないだろうなと思った。

世界について突き詰めようとするとキリがない。しかし人工言語を突き詰めて作ろうとするといずれは世界が必要になる。なぜなら言語は世界の上に乗っているから。
結局「NATやReallang系の人工言語って見果てぬ夢で、国際語と同じく無理なんだな」って理解した。するとArtlangのうちNATやReallangは欠格するので、それ以外、つまり芸術を志向するクレリカみたいな言語にArtlangの意義はあるのかと思うが、そもそも言語はアートなのかというと万人にとってはそうでもないという現実があり、悩ましい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です