アルカとSHAとLIM

2016/2/24 seren arbazard

先日TLで鮎川さんが、「アルカの動きがなくて心配」と言っていた件について。ここのとこ人工言語学の概論づくりに忙しかったので、アルカは止まっていました。アルカの作業を『アルカの書』と人工言語学と平行して再開します。
具体的には幻日初版のレベル4以降の校正、文化欄修正、語法欄強化、語法以右の作業など、辞書を中心とした作業になります。

鮎川さんたちの、凪霧からマレットに遡ってフィーリアまで戻り、そこから下ってアルバレンまで降りていくという壮大なプロジェクトは素直にすごいと思います。これからも見守りたいと思います。

初代に始まり先代が企画して私らが作ってオンラインユーザーが引き継いだという意味でアルカはSHAです。

ときに、人工世界についてですが、カルディアを作りこんでカルディア系人工言語をREL化するという考えと、conlangingに集中して人工世界はあえておさえてアルカをLIMとして進化させるかで意見が分かれると思います。あくまで私の意見ですが、去年の10月の段階では私は前者よりで、多分Rosenfelderの”Conlangers Lexipedia”もそのベクトルにあると思いますが、〈世界の沼〉に足を絡めとられそうになって、「conlangerであり続けるためにはどうすればよいか?」と考え、〈LIM〉を考えましたが、RELとLIMのどちらにアルカを振るべきか迷います。

NAT系の人工言語をやってるconlangerやconlinguistは似たようなステップを踏んでいくように見えます。NAT→REL→LIMという過程がそれです。RosenfelderはLanguage Construction KitとPlanet Construction KitでNATに行き、Conlangers LexipediaでNATとRELの間を渡っている途中です。conlinguistの考えることは皆似ていて、みな同じようなことを考え、同じような過程を経て、同じような道を進みます。ドスラキのPetersonやLanguage Creation Societyも似たようなもののようです。
NATを突き詰めるとRELを思いつきます。そして「RELは現実的に作りきれん」という問題に気づいてNATに戻るかRELを腹に抱えたまま停滞します。そこをコペルニクス的転回で、「そもそも自分はconlangerなんだから、人工言語に必要な分の人口世界しか作る必要ないよね」と割り切ることで山を超えてLIMに軟着陸します。で、このLIMの考えは、以外にもNAT以前の初心者のレベルの人がよく思いつくことなのです。必死こいて作業して考えぬいた結果、一番最初に思っていた「勘」が「合ってた」ことを理解します。アルカに山型理論というのがありますが、dkに載っているので見てもらうと、これは典型的な例だなと分かります。

LIMの考え自体はビギナーでも思いつくのですが、NAT方向に突き進んでいくと一周回ってLIMに戻るまで難儀です。SHAも考え自体は単純で、日本もグモソとかありましたので、別に私が名付けたのはともかく考えだしたものではないのですが、SHAは人を集めなきゃいけないし、その中間はある程度有能でないと駄目ですし、すぐに辞められても困るので、なかなか実現しないから、アルカのような成長した実例があまりないのですよね……。

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