人工言語を成立させるために必要な情報の質と量

ジーニアス等の辞書を人工言語に全文訳しても、人工言語を作った事にならない。
ジーニアスで「臭い台詞」を調べても、「臭い」にも「台詞」にも用例がなく、分からない。
少年漫画にすら出てくる句が分からないのに「はしけ」なんて聞いた事もない語が載っている。
故に辞書を人工言語化してもその人工言語を作った事にならない。英辞郎も調べきれない事があるので不十分。

一方辞書より言語情報量の少ない幼児でも母語を脳内に持つ。
人工言語を作ったとは「赤子がその人工言語のネイティブになれる質と量の情報を作った事」と定義したらどうか。
ただ、その実験はしづらいので補助的に「人がその人工言語のバイリンガルになれる〜」を加えるべきか。

人に辞書を読み聞かせてもネイティブにもバイリンガルにもならない。
十分な質と量の情報はメンタルコーパスを具現化する事で得られる。
まず自然言語のメンタルコーパスを具現化し構造を分析し、言語にとって必要不可欠な要素を割り出す。
そしてその要素を人工言語にし、今度は逆に演繹的に人工言語のメンタルコーパスを構築する。
こうして十分な質と量の教材(言語情報)を作り、初めて人工言語を作ったといえるのではないか。

辞書より少ない情報で、その言語らしさを具現化できるのは自然言語を見ても明らか。
メンタルコーパスが言子や文子の集まりだとして、どういう構造になっているか調べる必要がある。
いくら用例や語法を追記しても人工言語を作った事にならないし、そもそも英辞郎のような大きなコーパスを一人で訳すのは無理だ。
無理な上、その方法では十分なメンタルコーパスを構築できないから徒労になってしまう。
故にまず人の脳内の「その言語らしさを構成する情報群」を分析せねばならない。

便宜上「十分な質と量の情報」を持った人工言語をエーコの言を斜めに借りて完全言語とする。
アルカは不完全言語で、完全を目標としている。
論点はメンタルコーパスの抽出分析再構築以外に、完全言語を作る方法があるかもって事だ。方法論を議論研究せねば。

昔は文法語彙作って終りだった。私が風土も考えようぜと言い出し受容された。ローゼンも同じ主張をし英語圏でも一般化した。
次に私は歴史や語法もと言いこれも受容。その後構文論やメンタルコーパスを含めた作業階梯を提唱。
この辺りから遊びでやってる人工言語屋との温度差が顕著に。
そして最近私はどれだけ言語要素を作ってもネイティブの脳内にある「言語らしさ」を具現化できないのでは?と考え、
線条的な階梯で物量作戦でやっても自然言語のような言語らしさを持った人工言語(完全言語)はできないのでは?と考え、
完全言語を作る冴えたやり方を探求し始めた。
人工言語屋との議論や言語学書との格闘が要る。

幼児が少ない情報で完全言語を構築しているのだから少ない手数で完全言語を製作する方法があるはずで、
人工言語界はそれを探さないといけない時期に来ているのでは?
アルカのような物は言語もどきに過ぎない。
こんなんで言語作りましたなんて言えない。暗号に過ぎない。
私が最初にアルカは日英ベースの暗号では?と考えたのはfarasさんが流暢に幻作文をした2012年だ。
アルカらしさは日英ベースで出来ていたから氏は容易に習得できた。
何かの言語をベースとしたら語彙や語法や文法を置換しただけの物で、人工言語というより複雑な暗号だ。
この域をアルカらは出ていない。これでは言語を作った事にならない。
暗号遊びで中途半端で満足する人は多いが、少数でもいいからちゃんと作る人がいないと900年続く人工言語界はブレイクスルーできない。
Kakisさんは400年前の繰り返しとよく言うが、ITと言語学の発達で環境が変わっているから人工言語も他の学問と同じく進化しうる。

皆さんも意見願います。
自然言語のメンタルコーパス、「言語らしさを構成する情報群」に関する和書、洋書、論文があればお教えください。

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