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人工言語の作り方

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初級編

序文

人工言語とは

言語の作り方

応用編

続・人工言語

人工言語Q&A

高度な作り方

回顧録

付録

読書案内

人工言語学研究会

はじめに

ここではレトルト人工言語より詳しく、言語を作る方法を紹介しています。
レトルトに比べて人工言語らしさもアップしています。
ただし、本格的に言語を作るなら、もっと深く広い考察が必要です。

まずは簡単な人工言語の作り方について見ていきましょう。
簡単といっても、ここで挙げる手法は今後の人工言語作りに関与することなので重要です。

一番始めに、どのような言語を作るのかという目的を定めましょう。
言語は実用するためのものと、研究や遊戯として作るものがあります。

後者の場合はどのようなシステムにしても良いので、作り方の説明は要りません。
好きな文法を当てはめ、現実にない文法を作り、複雑怪奇な文字を作り、人間がまず使用しないような音素を選んで言語を作る。
それもまた一興でしょう。作り方は自由で良いと思います。

実用を考えない研究用言語の作成は選択肢が多すぎてとりとめがありません。
一方、小説にせよ世界語にせよ、実用するなら以下の作り方が参考になると思います。
そこでここでは実用を前提とした言語の作り方を見ていきます。

●過論理と過合理

実用的な言語を作る場合、過論理(過剰に論理的)と過合理(過剰に合理的)に気を付けてください。
言語作成は始めは机上の空論です。それゆえ言語のシステムばかりに固執してしまいます。
その結果、過剰に論理的だったり合理的だったりするものが生まれてしまいがちです。

たとえばエスペラントでは英語のisに当たる語をestasといいます。
これは体系的で論理的ですが、実用的ではありません。頻度のわりに語形が長すぎるからです。
これは論理的すぎて使いづらいというケースです。
また、合理的すぎるのも考えものです。 例えばできるだけ少ない文字数で単語を表そうという言語は確かに合理的ですが、一音でも聞き漏らしたら途端に意味が通じなくなる危険性があります。
同様に、できるだけ使う音素を少なくしようという言語もあります。
ニューギニアのロトカス語は母音が5つで子音が6つしかないので、一見覚えやすく合理的に見えます。
ところが音素数が少ないのでひとつひとつの単語がどうしても長くなり、書くのも喋るのも面倒です。
ロトカス語はまだ自然言語として成立しているからいいものの、母音3つの子音3つなどといった過合理は避けたほうが無難です。

このように、過論理や過合理には注意しましょう。
いざ実用する際に色々と不具合が起こる可能性があります。

●辞書の引きやすい言語にしよう

次の注意点は辞書です。予め、辞書を引きやすい言語というのを目指しましょう。
言語の最大のツールは辞書ですが、世の中の言語には辞書が引きにくいものとそうでないものがあります。

字が読めないと引けない日本語や中国語。音が分かってもスペルと一致しない英語。どちらも厳しいです。
音を聞いてすぐ引ける辞書。これが簡単です。なので、そういう言語を作りましょう。これだけで作業効率が劇的に変化します。

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