『塾カラオケ』 14,ral,mat div  昨日は水曜で、バイトだった。5〜9時。裕子に会うだろうから借りていたCDを持っていった。月曜、目を合わせなかったのでシカトしたと思われてるかなと心配した。職場で気まずいのは嫌だ  授業が終わる頃、9時少し前にポケットのケータイが鳴った。曲はバトルクライ。あ、紗智枝だ。つーか今はまずい。慌ててマナーモードに  授業が終わってからこそっと水道で見た 紗智枝「時間の比率; 見つめ合う<キス …だったよね!?(笑) きゃあ。更給我親嘴!」  んん?意味が分からん。誰か間違えて送ったのかと思った。でも、キスとかいってるし、多分俺だよなと思った。しかし文意が分からん。しかもここに長居はできない。とっとと戻って片づけをして、下へ降りた  するとまもなく裕子が降りてきた。ロッカーでちょこちょこ会話をした。外へ出て、いつもの流れで一緒に帰った。とっととカラオケの約束を解消しておきたいので、誘おうかと思った。ユウアイが見える道に来るまでにそれとなくカラオケの話題に持っていった。で、ユウアイの見える道に来たときに、「いや、実は既にストレスたまってるんで、これから行こうかなって思ってるとこなんですよ」といった 「え、一人でですか?」 「弟呼んだけど断られちゃって」 「一人でよく歌えますね」 「あー、じゃあ先生も来ます?奢りますよ」 「いや、お金はいいんですけど」 「まぁ小一時間くらいだし。10時ぐらいには終わるかな」 「小一時間かぁ…じゃあ行こうかな」  というわけでそのままユウアイへ行った。1時間歌った。裕子は歌いなれてないそうだ。確かに声が喉から出ている。でも、声は綺麗だし、音痴といってたが、全然そんなことはない。素直に誉めたがお世辞だと思われてしまった。「でも、俺はその声、好きですよ」という主観表現に切り替えたら、少しは受け入れられたが  向こうはサウダージや浜崎や島谷を歌ってた。俺はポルノとかバンプとか。kを聞かせたら、いい曲だといっていた。犬なら泣けてたそうだ。俺はなんだかんだいってカラオケしながら紗智枝のことを考えていた。やべー、メール返してねー、とか  終わったのは10:15。外に出て、歩いていつものところで立ち話。小ぬか雨がずっと降っていた。カラオケは楽しかったそうだ。俺も約束を果たせたので安心した。ところが話の流れで今度は映画に行くかもしれなくなった。でも「もしいい映画があれば」というご挨拶だったので、こっちは履行しなくても気まずくならないだろう  いい加減仕事でもないのに丁寧語がうざいので、お互いタメでということを言ったが、向こうは年上の男にタメはきけないといってきた。まぁ、メールから徐々に直していこうということにした  裕子さんと呼んでいたら「さんはやっぱりヘンです。名前で」というので「じゃあ、裕子」といった 「裕子って呼んでるのに丁寧語はヘンですよ」 「そうですね…」 「やっぱタメでいこう。裕子が嫌なら無理には言わないけど、俺はそう喋られた方が落ち着くしね」 「う、うん。じゃあ、がんばる」  というわけでぎこちない丁寧語会話はどうにか払拭できそうだ。17歳の安藤でさえ俺のことをセレソ呼ばわりするし、俺はそれに全く不快感を覚えていないどころかむしろ気に入ってるんだから、それと同じ感覚だ  ただ、気になったことがある 「月曜に目が合わなかったからシカトしたと思われたんじゃないかって思ってた」 「あ、思ってました。シカトされたって。私たち、一日おきにメールしてたじゃないですか。最後に来たの金曜でしょ。なのに日曜にセレンさんから来なかったから何か怒らせたのかなって心配してて」 「いや、そんなこと…」 「そしたら月曜にシカトされたから「あぁ、もうだめだぁ…」って思って」 「俺こそ裕子がそれで怒ってるんだと思ってた」 「ううん、怒ってない」 「じゃあ、お互い同じこと考えて心配してたんだ」 「みたいですね」 「月曜にほんとはメール出そうと思ってたんだけど、なんか現実であまり話してないのにメールばかりする関係って変だなって思って。自分は本当にこの人とメールをしてるんだろうかっていう疑問が沸いちゃって」 「あ、それ私も思いました。メールばっか進行しちゃってましたよね」 「うん、だから、それで送らなかっただけ」 「そうなんだぁ…あの、だからほんと1日おきとかじゃなくてもいいんで、いつでもメールしてくださいね」 「え、ああ…うん」  という会話の中で、「あぁ、もうダメだって思った」という台詞がひっかかった。紗智枝が池で言ってたのと同じだったからだ。俺が古谷君とくっつけようとしたことに対して後から紗智枝がいった言葉だ。あれと同じと考えるとまずいなと思った  もしかして裕子は俺に気があるのか?と思った。でも、それはないだろうと思った。というのも、CDを返したときにCDが傷ついてたことをいったら、「あぁ、私はいい加減に保管してるんで、キズが付いてるんです。気にしないでいいですよ」といっていたからだ。まして「私、部屋もちらかってって」といっていた。俺に気があるならそんな自滅は絶対にしないはずだ。じゃあこの好意は何かといわれれば、それは男友達だということになる。だから今なら男友達だということを強調しても傷つけないだろうと踏んだ 「でも、女子大だから男友達なんてあんまりいないでしょ」 「ええ、いないです。一人も」  即答してきた。ためらいもなく。よし、大丈夫だ、友達コースだと思ってる!この娘はセーフ!  で、帰ったのが11:00。紗智枝にソッコーでメールを返した。メールの文面は考えてみたが、恐らく火曜のことをいってるんじゃないかと思った。火曜は見つめ合う時間よりキスする時間のほうが長かったねって言いたかったんだろう。だが、2時間以上待たせたので、話題を変えることにした セレン「ごめんね、デート代かせいでたm(-_-)mもう寝ちゃったかな…?」  はじめは「仕事してた」と書いたが、これじゃ離婚される典型的な夫の台詞だ。紗智枝はバイトで疲れてるのに待っるだろうから、この台詞じゃ報われない。なんせ紗智枝は朝7:01の電車だったんだから  そこで、「デート代かせいでた」に急遽変えた。同じ仕事表現だけどこれなら待たされても「ちっ、しょーがねーなー」という気分になれるだろう。フォローにはなる 紗智枝「眠いけど待ってた。(セレン愛されてるね)」  きっと俺が「あ、ワリ。バイトしてた。つーか授業中に鳴って焦ったし」と書いたらこんなメールは帰ってこなかっただろう。紗智枝も「授業中だったんだ、ごめんね」とは言いつつも、気持ちは冷えていくだろう。だってこの言い方ってありえないでしょ。相手に対するねぎらいがおざなりだし、しかも授業中に鳴ったということで相手に責任を押し付けてる。ありえない。しかし世の男にはこういう奴が意外といるもんだから驚き。いくらなんでも女なめすぎだっつーの。上司に同じこと言えるか? セレン「うん、愛されてる。伝わってくるよ ほんとごめんね、仕事で疲れてるのに 紗智枝姫の綺麗な肌が荒れちゃったらどうしよう!(笑)」  とりあえず緊張をほぐす一言を。あと、紗智枝は肌が綺麗だし、色白だ。そこは恐らく自分でも自慢できるところだと思ってるだろうから、ネタに使っても不快ではなかろうと判断した。色黒や肌が荒れてる娘に言ったらむしろ自滅だけど、紗智枝は綺麗と思ってるだろうから気まずくならないだろう 紗智枝「笑)お姫さまは王子さまのキスで綺麗になります。 受付まあ楽しかったよ。相手が年配の方で。」  うん、やっぱり肌は気にしてないようだ。このノリだと自分の肌は綺麗と自覚してるかもしれない。それならいつかまたネタにできる セレン「早くなじめるといいね、受付(^_^)v おやすみ。夢で会えるといいね☆」  しつこいのは嫌なので、さらりと別れる 紗智枝「おやすみ。うん、そうだね。 しあわせ。」  で、今日になった。朝起きたら紗智枝から9時に来てた 紗智枝「逢えちゃった。 (しかも東別館で) おはようセレン。今日も涼しいね。」  気付いたのは10時。多分授業中かなと思ったが、一応出しておいた  夢で会えたってことか。かわいいなぁ  火曜に俺が「気のあるメールが来ないと不安」といったら「じゃあ「おはようセレン、超愛してる!」とか「今日の私の下着はね」とか送ればいいの?」といってきた 「そうくれば嬉しいけど、下着はいや」 「あ、そうなんだ。はは…。いやなの?」 「まぁ…」  なんかその会話を履行してるような気分だ 「メールはね、いくら書いても書き足りないの。だから会って話したいし、メールはあまり好きじゃないんだ」といっていたので、こういうメールをくれるのは嬉しいけど、負担になってるんじゃないかなと心配だ。俺は偶にかわいげのあるメールが来ればそれだけで安心できるんだがなぁ。明日言わないと セレン「おはよー、マイフェアレディ(^_^; 今起きたよ。昨日は遅かったから 今は学校かな?」 紗智枝「対a!在学校里。 2限が、梁塵秘抄の授業なんだ。」 セレン「紗智枝がいると思うと急に目白の天気とかが気になりだす。俺って…(笑) 夢、今度聞かせてね」 紗智枝「うれしい。 雨が細かくて今までにないくらいきれい。」