『池でgo!』 14,mik,jil  mik,liiは火曜で、秋分の日だった。学校が休みだが、紗智枝とあった。12時に目白で待ち合わせ、会った。昼飯に行ったが、安く仕上げようということで目白の松屋へ。そこで言語学の話なんかをしてた。今日は勉強会だ  その気になると困るので、紗智枝が「セレン、においかがせて」といって寄ってきたとき、話す振りをして避けた。ところが紗智枝は気付いたようで、後から「気付いた?」と聞いたら「気付いたわよぉ!凄い悲しかったんだから」といわれた  松屋の後、西5が開いていたので2階にいって、教室が開いていたので入ってホワイトボードを使いながら紗智枝の質問を受けてた。紗智枝は過去問を出してきて、大問5の言語学系のものを質問してきた。解答が公開されてないので俺がその場で解答を出した。本などないから全て俺の記憶で、紗智枝は感心しながら聞いてくれた。結構偉そうな言い方だったかもしれないが、「別にむかつかないよ」といっていた。俺も紗智枝にいくつか過去問を質問した  紗智枝は説明が上手いと誉めてくれた。ホワイトボードの使い方もうまいといわれた。ただ、字は綺麗に書いたほうがいいといわれた  4時過ぎになり、俺がたこ焼き食いたいと言い出し、サンシャインへ歩いた。途中で紗智枝が「お願い、手だけでいいの。つないで」といってきた。全くスキンシップを取ってないからなぁ。それで手を繋いだ。そしたら「乾いた島に水が染み込んでいくような気分。落ち着くの」という  サンシャインでたこ焼きを食べ、クレープも食べた  次にジュンクへ。4,3階を見て、またこないだの恋愛本コーナーで本を見ていた。見事に女ばっかなのに俺がいた。紗智枝は女にジロジロ見られていた。俺もだけど  その後歩いて学校へ戻った。紗智枝が「疲れたから人がいない道がいい」という。それで夜になったいつもの道を歩いて帰った。紗智枝のそういう感性が俺に似てて心地よいと思った。なんて表現したらいいのか分からないが、冬の寒空に一緒にいるのに暖かいと思えるような空気を感じるんだよな、そういう言葉を聞くと 「昨日、明日セレンに会えると思ったら体が反応しちゃった。体はよく分かってるみたい」  で、風呂の後一人でしたそうだ。紗智枝は俺のメールを見て、試験が終わるまでエッチなしと単純に思ったそうだ  サンシャインへ行く途中から学校に戻るまでにこんな話を切れ切れとした 「セレンは私としないほうが集中できるの?男の子ってヘンなの――って思ったわよ」 「そんなことないよ。やりたくて勉強が手につかないときなんて男のほうが強いでしょ。カップルで受験する最大の強みは若さゆえの苦しみから解放されてエッチすることによってストレス発散して勉強に集中できることだよ」 「そうだよね。よかった、セレンも同じかぁ」 「要するにホテルでお金使わなければいいってことだから。自宅とかではOKだし。そもそも二人がしたがってるのに場所がないからっていうのも変な話だよね」 「よかった。試験までずっとないのかと思ってた。そんなの無理だよって思ってた。その上セレンたら手を繋ぐのも拒むんだもん。メールじゃ撫でてくれるなんていってたのに、話が違うよって思った。あのね、お母さんがセレン君をお持ち帰りしていいって言ってるの」 「お持ち帰りなんて言い方しないでしょ」 「するのよ、それが」 「でもなぁ、明日バイトだしなぁ」 「そうね…」  という雰囲気でなんとなくやることに、その場の雰囲気でやることになった  学校へ戻る途中、前に猫を抱いた細い通りに差し掛かった。狭い道で誰もいない。そして暗い道だ。手を繋いで歩いていたが、俺は急に紗智枝にがばっと前から抱きついた。その瞬間、「あぁ…」と大きく息をついて紗智枝もぎゅっと抱きしめてきた。こんなにどきどきしながらも落ち着くなんてこと、他にはないなと思った。とにかく胸がどきどきしてるのに心は落ち着いていくのだ。紗智枝も「凄い落ち着く…満たされていく」といって感激していた。これがミルフの月最大のどきどきだったな。しかも心地よいどきどきで、こんなどきどき最後に味わったのは遥か記憶のかなただ。この瞬間、俺はもう確実にどこでもいいから紗智枝を抱こうと決めた  で、学校に着いてローソンへ。どちらもゴムを持ってない。紗智枝は「朝、耐えられないから持っていこうと思ってたんだけど、それでセレンにそんなにしたいのか、浅はかな女だなって思われたくなかったの」という。それでゴムを買おうと思って行ってみたが、ない。紗智枝が「店員に聞いたらあったりしてね」というので「じゃあ聞いてよ」とからかったら「ありえないでしょ!」という 「じゃあアルカンスで負けたほうが聞くってことで」 「えっえっ、だって私、それしたことないよ」  というので説明した。指を作って上からslea,bcea,treaだと説明し、勝ち負けも教えた。掛け声も教えた。それでローソンに入ってすぐのところでやってみた。アルカンスは前に話したが実際やるのは初めてだ。ar\kan\se\anという掛け声とともに俺が出したのはbceaで、紗智枝はtrea。俺は慣れてるから出した瞬間「っしゃあ!」といったが、紗智枝は「えっ?どうなんだっけ?」といっていた。「だから上が下に勝って、一番下は一番上に勝つっていったでしょ」といったら「あぁ〜!うそぉ〜!」と叫び、「私、初めてで負けた上に内容がこれぇ!?」といった  そして紗智枝は女店員に向かってジュースを差し出しながら「あの…ゴムありますか」といった。店員は「はい?」といった。紗智枝はアゲインで「ゴム、ありますか」といった。店員は生理用品のところへ行き、その後化粧品のところに行き、髪のゴムを渡してきた。紗智枝は黙って買った 「だめだよ紗智枝、ちゃんとコンドームっていわなきゃ」 「なによー、私がゴムって言ったのよ、学校のローソンで!この私がよ!がんばったじゃない!」 「でも、髪のゴムでしょ」 「しょうがないじゃない。なんていえばいいのよ」 「だから〜、「ゴムくさだい」「え、髪(カミ)のですか?」「いえ、下(シモ)の」ぐらいいわなきゃ」といったら紗智枝は爆笑した  紗智枝が黎明のトイレに言ってる間、西5の前の噴水の近くでサンシャインを見ていた。屋上がライトアップされていて綺麗だ。冬の空気になってきたので去年までのことを思い出していた。特に1、2年だ。リディアに会いたいと思って帰りたくなくなり、よく意味もなくぶらっとしていた。冬は特にそうだった。綺麗な遠いものをみるとつい見に行ってしまう。そこまで時間をかけて、ふもとで少し見たら数秒で離れるのだ。そこに行くまでぼーっと仕事のことなんかを考えたりリディアのことを思い出したりしてるのが楽しいのだ。そして涼しい空気に触れて心が寒くなり、胸が苦しくなって歩きながら歌ったり泣いたりするのが楽しかった。人肌が恋しくて寂しかったときなんかによくそうなった。代償で女がほしいと思ったが、セフレとかに連絡するのも嫌だしナンパする気分でもないときは一人でいた。そういう日がいくつかあった。それが今は好きな女の子といるのだ。空気はあの日と同じなのに。ましてその娘は俺が好きで、しかもこれから抱いてほしいと思っていて、実際にこれからその娘をすぐそこで抱くのだ。そう思うとあったかいだろうなと思って満たされなか った寒い心があっためられた気がした。でも、胸の痛みは取れなかった。悲しい寂しい痛みじゃなく、嬉しさと切なさの混じった痛みだ。人の心は複雑だ  紗智枝が戻ってきた。俺がぼーっと見ていたらすぐに事情を察してくれて、余計なことを言わずに黙ってみていて、静かな声で「どうしたの?」と聞いてくれた 「もう少し一人であの光を見てたかったなって」 「えぇ?私がセレンに早く会いたいと思って急いで出てきたのに?」 「もう少し一人でいて、紗智枝がいてくれるありがたみを痛感したかったんだ」 「そっか。それならいいな」  紗智枝は黙って文句も言わず俺の気の済むまで佇んでくれていた。そういう気立ての良さで男は女を好きになる。なのに紗智枝は打算なくそれをする。心が賢いのだ  その後血洗いの池に行った。そこで付き合ったベンチに座って愛撫した。暫くしてそこでやろうということになり、紗智枝はストッキングとパンツを脱ぎ、靴も脱いだ。そのまま場所を変えようといい、付き合う前にヴィルテスがいっぱいの見晴らしのいいベンチに移動した。紗智枝が痴漢に会った話や青木の話をしてたところだ。あのころはここに座って「竪谷さん、俺が手を握ったら嫌悪感抱く?」とか言ってたもんだ  で、そこで生で入れてみた。俺がベンチに座って紗智枝を上に乗せた。スカートを履いているので一見膝に乗せてるだけにみえるという寸法だ。しかし、急いでいてあまり濡れていなかったのでつっぱって入らず、俺が「いたい」といって止めた。思うに、紗智枝のあそこはきつすぎる。なんて締りがいいんだと思う。指で弄って濡らしてから入れた。やはりつっぱって痛いが小刻みに上下動してたら慣れてきて入った。はじめは紗智枝の背中が見える方向、つまりバック系で入れた。暫く動かし、方向を変え、前向きに。紗智枝は「気持ちいい」といってあえいでいた。しばらく生でやって、買ってきたゴムを付けた  しばらく動かしていた。場所が場所なので紗智枝はすぐに「行って」といった。そこで俺は紗智枝を抱えて立ち上がり、駅弁でやった。紗智枝は殊のほか驚いて信じられないといって嬉しそうにしていた。自分は絶対抱き上げてもらえないだろうとコンプレックスを持っていたから抱き上げられるのが嬉しいそうだ。しかも俺は余裕で紗智枝を持ち上げ、全然平気な顔で数分間突き上げていた。紗智枝は驚きと喜びの混じった不思議な喘ぎ方をしていた  前方をみるとすぐ向こうに黎明があり、しかも下のところで男たちが筋トレしていた。「お前らが器具か男仲間を使って筋トレしてる一方で俺は女の子を使って筋トレしてるわけね」といったが紗智枝は聞こえなかったみたいだ  ところで、問題は道が悪路だということだ。ぬかるんでるしでこぼこだし、ましてつま先にでっぱりがあって、少しずれるとこけてしまう。そこは小高いところで目前が自然の段になっていて、1mくらいの高さになっている。しかもそのすぐ先は池だ。勢いつけて転がればぽっちゃんだ。にもかかわらず紗智枝の手は俺の背中にしがみつき、紗智枝の脚は宙に浮いている。全て俺だけが頼りという空間的精神的状況だ、素晴らしい  紗智枝からすれば繋がっているのは自分の膣と自分の男の陰茎だけだ。そんな体の体積からすれば1%もない器官だけが繋がっているだけで後は宙に浮いているという不安定な状況で、しかも自分のすぐ後方には1mの段と池がある。そんな状況では恐れてしまい、絶対男に身を預けるなんて事はできないはずだ。それなのに紗智枝は「セレン、大丈夫?倒れない?」と一度言ったきりで、俺が「大丈夫だよ」といったら後は信頼して何も言わないのだ。それどころか「腰、大丈夫?凄いよ、体力」などというのだ。俺は非常に感動した。一歩間違えれば運がよくとも捻挫か打撲をする状況なのに俺を信頼して喘いでいるのだ。こんな可愛い娘は他にいないと思った。そのまま最後は高速に動かし、俺は紗智枝の膣内に駅弁のまま射精した 終わってからベンチに座り、二人で走り終わったような呼吸をしていた。紗智枝は「セレン、凄いよー!でも、体、大丈夫?」といい、俺は「ってゆーか流石に自分でもありえないって思った。だってここ、学校の池だぜ?しかも物陰でもない。むしろ見晴らしがいい。ってゆーかそこに黎明があって人いるぜ。なのにやってるし、まして体位が駅 弁だよ!ありえねーどころじゃないだろ、若さに万歳だよ!」といって珍しく興奮していた  でも、短かったし、体に負担がかかるので紗智枝は気持ちよくなかったはずだ。それを言ったら「まぁ…。でも、気持ちは凄いイベントで満たされたから凄くよかったよ」といった。「またしたい?」と聞いたら「今日はもう今ので体力が…。てゆうかセレン、本当に強いよね。私としてはむしろ金曜に…」というので「じゃ、金曜にアゲイン?」といったら「うん…」といった  ゴムを取ったら紗智枝がいつものように見せてというので渡した。一日分なのにやけに量が多い。紗智枝は「すごーい。ねぇ、うぬぼれてもいい?」というので「いいよ。紗智枝が自分の体使って搾り取ったんだもんね」と言ったら笑ってた  紗智枝はゴムを器用に縛り、「リディアの素〜♪」といいながら楽しげにしていた。ゴムの縛り方を教えたことが懐かしい。ここ池なのに随分余裕があるなぁと思ってみていた 「これ、どうしよう」というので「捨てていいよ」といったら「じゃあ、記念として池に捨てる?」といいだした。「環境破壊もいいとこだね。まぁ、記念ということでいいよ」といったら「でも、浮かないかなぁ」という。どっちでもいいやと思って「大丈夫じゃん」といったら紗智枝は「じゃあ、捨てるね。ぼいっ」といって縛ったゴムを池に投げ入れた。当たり前だがゴムは浮いた。浮いたまま流れた。「あぁ〜、私、なんてことしたんだろう。リディアの素が流れてく〜」といいつつも笑ってた。大学の池にというかあの地洗いの池に精子の詰まった使用済みコンドームが縛られて浮かんでいる。誰が見つけるんだろう。どきどきだ…。紗智枝は「今度探しに来ようか。まだあったらどうする?」といって笑っていた。紗智枝のそういう無邪気で破天荒な行動が幼少期に抑制されていた反動だと思うと愛らしく思えてむしろ歓迎してしまう  池を歩いて出た。出際にフツーに人が降りてきたので、「この分だと絶対誰かやってるときに来てたね」といったら紗智枝は「…うん」と恥ずかしそうに頷いた。別に嫌そうじゃないのが不思議だった。俺も全然嫌じゃなかったなぁ  ローソンの下のトイレに行き、それから大学を出た。サンシャインを出たところで裕子と酒に行くといったら紗智枝は「私も行きたかったけど、セレンは外で飲むのが好きだからお願いしなかったのに」といった。それで「じゃあ裕子より先に連れて行ってあげようか」といったら「そういおうと思ったけど、浅はかだって思われたくないから言わなかったの」という。「そっか。なら、いこうよ。俺も紗智枝と行きたいしさ」といって目白通りのやるき茶屋へいった。俺はやるきは初めてだ。紗智枝は佐々木の飲みで行ったらしい  本当に「はい喜んで」というので驚いた。中生2つ・帰ってきたジャーマンポテト・牛筋キムチ鍋・野菜チヂミ・焼きおにぎり2つで2800円くらいだった。しかもどれもこれも上手い。鍋がずっと紗智枝と食べたかったので嬉しかった。念願かなったりだ。でも、実際のところこの鍋が一番値段に内容が見合わなかった気がする。ポテトは上手い。カレー味の野菜炒めにポテトといった感じだ。これは紗智枝がネーミングで選んだものだが、実はこれが一番上手かった。また食いたい  紗智枝は中生半分しか飲めず、俺が残りを飲んだ。残すことなく全て食べたがもう満腹。結局ギリギリの11:30までいた  紗智枝は不満と疑問を書いた紙を見せてきた。それは俺がもらった。俺は7/1に泊まったのは終電がなくなったからだが、実はあのとき俺は目の前の時計柱をずっと見ていて時間を知っていたことをばらした。俺は紗智枝とずっといたかったので時間を見ながらも黙っていたのだ。紗智枝も黙っていたが、いくらなんでも4時間近く時計を見ないということはないだろうから向こうも黙認してるんだろうと思っていたが、なんと紗智枝は本当に気付いてなかったそうだ。というかああいう話の最中に時計を見たら時間を気にしてるから帰りたいと相手に思わせて失礼だというのが本音らしい。俺が知っていたことを言ったら驚いていた。「騙されてホテル連れ込まれたって思う?」と聞いたら「うーん、そうかも」という 「あのときは紗智枝といくら話しても話したりなくて、ずっと一緒にいたかったんだよ。別れたくなくって、ずっと一緒にいたかったんだ」といったら紗智枝は急に「そうなんだ。一緒にいたいって思っててくれてたんだ。嬉しい」といって俺の気持を受け入れてくれた  で、そのまま駅へ行き、ベンチに座って11:30ごろの電車を待った。俺のほうが先に来た。俺は紗智枝にキスをした。舌を入れて歯茎の後ろまで舐めて。そして腕は紗智枝の肩を抱き、別れを一秒でも惜しんだ  電車が止まり、ドアが開いた。紗智枝は「金曜日も会おうね」といい、俺は「それは金曜にまたしようということ?」とからかった。紗智枝は「や〜ん。ふふ、そうね」といい、俺は「じゃあまた金曜に会おうね」といって電車に乗った。乗ってから珍しく俺は振り向いた。紗智枝はじっと俺を見ていた。目が合うと紗智枝は微笑んだ。俺は微笑んで頷き、向こうを向いた。もう振り返らずに去った