despania
[名詞]デスパニア。ルシーラとハルマが14人で特定の位置に座すこと。
[レベル]
古:despania(14人が一定の位置に座した形)
[文化]
ルシーラとハルマが14人で特定の位置に座すこと。また、その座り方やその図形。
1998年6月5日付の『赤アンクノット』の記述にメテの陣と、それを基にしたデスパニアが描かれている。
前者は細かく書いてあるが、デスパニアについては乏しい。メテの陣と同じとも読み取れるが、怪しい。
前者は六芒星なので小さな三角形を作れ、その中に使徒を置くことができる。だが後者は閉じた図形ではないただの線なので中で区切った小さい三角形に使徒を入れられない。
そこでアルシェはデスパニアをする場合は三角形ではなく線上に使徒を配置していた。かつてルージュが参加していないときはアルシェはセレンを抜かした12人の使徒でデスパニアを作っていた。

・制アルカ時代の幻日辞典の記述(24に再録)

ルシーラとハルマが14人で特定の位置に座すこと。また、その座り方やその図形
1998年6月5日付の『赤アンクノット』の記述にメテの陣と、それを基にしたデスパニアが描かれている
前者は細かく書いてあるが、デスパニアについては乏しい。メテの陣と同じとも読み取れるが、怪しい
前者は六芒星なので小さな三角形を作れ、その中に使徒を置ける。だが後者は閉じた図形ではないただの線なので中で区切った小さい三角形に使徒を入れられない
そこでアルシェはデスパニアをする場合は三角形ではなく線上に使徒を配置していた
かつてルージュが参加していないときはアルシェはセレンを抜かした12人の使徒でデスパニアを作っていた
デスパの文字は一番上から書き始める。一筆書きだから間違えようが無いが、まず左下に行き、右に折れ……と進んで、最後は左上の頂点に線が水平にぶつかって終わる
これを描いていくと線と線の交点ができる。この交点にそれぞれ順番をつける。まず左下へ向かう一番初めの線上で交点が5個できる
書きはじめの頂点が1で、左下の頂点が5になり、その間に必ず2,3,4の交点が生まれるはずだ
次に右に向かう水平な線を引くことになるが、この線には6,7が交点に並び、8が右下の頂点になる
次は左上に線を進める。まず9ができ、さっき作った3を飛ばして左上の頂点にたどり着き、そこを10にする
次に右下に線を進めるが、既に4,6が交点にあるのでここは飛ばすと、真下の頂点が11になる
次に右上に進む。7,9の交点を飛ばして右上が12になる
で、左向きに水平な線を引くと2,10を飛ばして線がつながり、デスパが終わる
ルージュがいないときはこれで満足してたんだが、13番が必要になったので困り、1と8を繋ぐ補助線を仮定した。こうするとデスパは六芒星に見えるようにもなる
その補助線を引くと10,2,12がある水平な線と補助線がぶつかるところがでてくる。デスパの書き順からいって12の次にあたる箇所なのでここを13とする
最後にセレンを置く場合、その位置は仮定した六芒星の中心である

・旧版アルディアによる使徒の配置(戦闘的配置であって儀式的なデスパニアの配置ではない)

<デスパニア>

 ここはアシェルフィの家。俺は自室を出ると、紅茶を飲みに居間へ向かった。
 居間に入ると大きな食卓にリディアが座っていた。
「よお、リディア」
「あ、セレン君。何か飲みにきたの?」
「紅茶を」
「あ、座って。いま淹れてあげるから」
 かたっと立ち上がるリディア。
「悪いね」
 リディアの横に座る。何か紙が置いてある。
「勉強してたのか?」
「ううん」台所から声が聞こえる「勉強じゃなくて戦略」
「珍しいな、居間でなんて」
「私もおなかすいちゃって何か食べようかなって思ってたの」
 リディアはクラッカーと紅茶を持ってきて座った。

「この紙さ、使徒の名前が書いてあるな」
「戦闘時、使徒をどのように配置すれば一番かなって思って」
「なるほどね、陣形か。んー、いまのところ全員円形に配置されてるね。14人で円を描いてるみたいだ」
「でもそれ問題なのよ。使徒の個性が出てないから、弱いところで突破されやすくて」
「これは攻めの陣形?守り?」
「オールマイティなのを1つ作っておきたいの」
「じゃあ攻めにも守りにもか。基本的に上側ってゆうか前側を攻めにすればいいよな。進行方向が攻めの方が自然だ」
「そうだね。そうすると後ろは防御だね」
「円形で組むのはよくないな。要所要所に配置しよう」
「そうだね」といってリディアは紙に何度か文字を書いては消した。

「……多分、こんな感じでどうかなぁ」
「ごちゃごちゃしてるな。中央先端部はお前なのか」
「うん、砲台だからね。黒魔法と召喚魔法で」
「なるほど。中央左翼は集まってるな。オヴィ、クリス、ギルか。古参ばかりだな」
「彼らは切り込み隊長のオヴィ君を始めとして、接近戦が得意でしょ。集まって攻撃してほしいの。砲台にはなれないから。あと、人数を固めたのは砲台の私が攻撃されたときに守りやすくするためよ」
「なるほど。それで、前の左翼はパールか。これはアルマレットの砲台か?」
「パールは魔法も武器も中くらいだからね、砲台としては不完全よ。だからオヴィ君たちに加勢もできる位置にしたの。半砲台ってところね」
「よくできてるなぁ。ところで右翼は過疎だな。ファーヴァしかいない。アゼルの砲台ってことか」
「そう」
「危なくないか?中央に持ってきたほうが」
「中央じゃ味方が魔法陣に巻き込まれちゃうよ」
「そりゃそうか。でも護衛がルージュじゃ心もとないな」
「でも彼はオヴィ君やクリスに傾倒してるから、アニキやアネゴの役回りをくれっていつもうるさいでしょう?」
「確かに。まぁ、それにあの魔法陣は強力すぎるから、人を遠ざけたほうがいいのは賛成だ。ところで中央は俺なのか?」
 と言ったところでメルが入ってきた。

「おう、メルも座れ」
「うん」といって座るメル。事情を説明する。
「お兄ちゃんは中央でしょ、立場上」
「あとは後方よねぇ」
「うーん、メルが思うに、この図はちょっと見にくいね」
 そう言ってメルはさくさくと配置を変えた。懸案事項だった後方も決め、前衛の位置もずらした。
 そして「で、ここからが面白いよ」といって使徒同士に線を引いた。
「あっ、デスパだ」リディアが声をあげる。
「そう、面白いことにデスパの形になるんだよね。しかも書き順どおりに使徒が並ぶ」
セレン「流石だな、メル」
 頭を撫でられるとメルは嬉しそうに微笑む。
メル「後方左翼はフルミネアお姉ちゃん。ユノが多いから、防御に向いてるの。回復役もできるしね。後方支援としてここに置いておきたいの」
「うん。リュウはその右か。リュウは接近戦タイプの中でもとりわけ強いから前衛の方がいいんじゃないのか」
「後方に1人接近戦に強い人を置いておかないとお姉ちゃんたちを守れないから」
「あ、そうか。それと、一番尻尾はミクちゃんか。彼女で大丈夫か」
「非力なミクお姉ちゃんには一番後ろで隠れててほしいから。回復役もできるし、お姉ちゃんにしか使えない特殊な古代魔法があるしね」
リディア「問題は防御力が弱いことよね。防衛には向かないわ」
「それでリュウお兄ちゃんを置いてるの。フルミネアお姉ちゃんが壁になって、リュウお兄ちゃんが盾になるよ」
「そりゃいいな。で、お前はリュウの右、ミクちゃんの右上か」
「うん、メルも力ないからね。魔法タイプだけど時魔法は補助魔法に近いし、後方支援の方が向いてるのよ」
「お前はミクちゃんとは違った特殊な魔法の使い手だし、彼女よりもヴィルが強くて魔法の分野も広いからな。後方に向いてる」
「あと、お兄ちゃんの近くがいいし。ほら見て、お姉ちゃんよりメルとのほうが距離が近いのよ、この布陣」
 ふふっと笑うと、リディアがむっとした顔でメルを見た。
リディア「……この布陣、きらい」
セレン「そんなこと言うなよ」リディアの腕を引っ張って耳打ちする「この布陣だとお前の背中を守ってやれるのは俺だけだぞ」
リディア「……これ、採用しよ」
メル「……」

セレン「あとは後方右翼か。ラルドゥラね……」
メル「固すぎるでしょ。だから防御として最適な布陣でもあるのよ」
「ファーヴァと変えられないんだよな」
「砲台は前じゃないと意味ないからね。ラルドゥラお兄ちゃんがいれば後方は絶対崩せないよ。ミクお姉ちゃんも安泰」
 そのとき、リュウが居間に入ってきた。事情を説明すると、リュウは立ったまま面白そうに布陣を見つめた。
リュウ「こりゃいいですね。何という布陣ですか」
リディア「デスパニアって呼ぶことにしようと思うの」
セレン「おぉ、そりゃいいな。ぴったりだ」
リュウ「ときにメル、この布陣、あなたならどうやって崩しますか」
「ルージュから」
セレン「おいおい、嫌いだからってw」
「違うよ。メルが敵ならルージュを叩く。事実あいつは弱い。そしてルージュのポイントは砲台であるお姉ちゃんとファーヴァお姉ちゃんを守らなきゃいけないポイントなの。お姉ちゃんを叩けばオヴィお兄ちゃんたちに攻撃される。だからお姉ちゃんは無理。
 となるとファーヴァお姉ちゃんかルージュなのよ。ファーヴァお姉ちゃんは魔法陣を完成させるまでは無防備だから叩きやすい。ただ、魔法陣ができた瞬間吹き飛ばされるからおいそれとは近づけない。それにルージュの邪魔も入る。じゃあまずはルージュを叩けばいい。ルージュがいなくなればファーヴァお姉ちゃんを守る人間はいない。そうなると無防備で魔法を唱えてるファーヴァお姉ちゃんを潰せる」
セレン「なるほど。すると前方右翼が潰れるわけか」
リディア「後方からはどう?」
メル「無理よ。右翼はラルドゥラお兄ちゃんがいる時点で不可能でしょ。左翼から行くしかない。だけどフルミネアお姉ちゃんの壁は鉄壁だし、ましてリュウお兄ちゃんもいる。潰すならミクお姉ちゃんだけど、リュウお兄ちゃんの接近戦闘員と、メルみたいな魔道士が守ってるから潰しにくい」
リディア「メルから潰すっていうのは?」
メル「だから横にラルドゥラお兄ちゃんを置いてるんじゃない」
リディア「なるほど。じゃあデスパニアの急所は右肩、ルージュか」
メル「そこが致命的ね。過疎のくせに弱すぎるのよ」
リュウ「かといってほかの要因と交換するほど他のポイントも余力はないですね」
メル「ま、問題はあいつがいかに成長するかよね」
セレン「うーむ……。もしくは砲台としてのリディアとファーヴァ自身が能力を高めるかか」
メル「現状だとそっちのほうがまだ望みありそうよ」
 メルはため息をついた。
セレン「あとは、まぁ、俺が中央にいるのでどこにでも出っ張れるだろ。ルージュの方をガードして、共闘するってところか」
リディア「セレン君がいれば鉄壁だけど、もったいないね」
メル「それにルージュはお兄ちゃんに懐いてないしなぁ」
セレン「だがまぁ俺が事実上リディアとファーヴァを守るルージュのポジションに付くしかないだろ」
リュウ「しかし、それが実現すればこのデスパニアは最強ですね。最も効率が良いです。それにしても流石はメル。大した図形能力です」
 するとメルはうすーく笑みを浮かべた。

「ねぇ……」リディアがひきつった笑みを浮かべた。
「どうした?」
「さっきから誰もザナ君に言及してないんだけど……」

 ひとしきり笑った後、メルが一言「まぁ弱点には違わないけど、ラルドゥラお兄ちゃんとお兄ちゃんがいるから大丈夫でしょ。それにルージュよりは全然強いし」とだけコメントした。
【画像】



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