lantist
[名詞][形容詞]混血児、ハーフ、クォーター
[反意語]lever
[レベル]
19:ridia:arbaxelt:lantis/teeze(使徒風な)。使徒が全員混血児であったことから。
[文化]
アルバザード人の大半がそうで、混血率が高く、従ってアルバザード人は美人美男子が多い。

・混血児は優れている

日本とフランスを比較すると、美人率は大して変わらないが、日本のブス率が圧倒的に高いことに気付く。日本は奇形なのかと疑うような女が多い。
セレンは子供の頃からこのことを不思議に思っていた。そして実際にフランスに行って日本より圧倒的にブスが少ないことを見て事実の存在を確認した。そしてなぜこうなのかを考えた。
結果、日本が島国でフランスが地続きだからだろうという結論に達した。知っての通り近親婚は奇形児の生まれる確率が高い。だからたいていの国で近親相姦は禁止されている。ところが日本のような狭い、しかも村社会で山が多く移動しづらい国では、狭い村や町の中で結婚しあうので、近親婚に近い状態が乱発する。流動性の低い地域では似たような遺伝子を持った人間が集まることになるので、近親婚に近い状況が形成される。結果、奇形児ではないもののそれの亜種のような子孫が生まれる。狭い地域で流動性がない環境で婚姻を繰り返していけば当然血が濃くなる。血が濃くなれば近親婚に類似した状況になる。近親婚に奇形児が多いのであれば、流動性の少ない地域の奇形児に近い――要するに醜形――が生まれる確率も高まる。だから日本は平坦な地続きで流動性の高いヨーロッパに比べてブスが多いのだろう。――とセレンは小学校のころに考え、大人になってフランスに行って実感もした。

セレンがこう考えたのはアシェットの影響も大きい。アシェットのメンバーはセレンもそうだが必ず混血児で、しかもリーザが美少年美少女を好んだため、美人が多い。セレンは子供ながらに混血児は綺麗なんだなと思うようになっていった。
猫を飼うようになって、犬や猫も血統書付きの純血のほうが奇形みたいな形(ブルドッグやパグなど)が多い一方、雑種は無難に可愛いということを経験的に知っていった。
なんで白人たちはわざわざ不細工な犬猫を品種改良してブリードしてきたんだろうとセレンは不思議に思った。中学でヨーロッパ人の純血至上主義を知り、純血が良いことだと思い込んでいるのかという事実を知った。

日本では混血児は希少価値もあるし綺麗でモテるが、ヨーロッパではウザい移民どもが持ち込んだ汚い血くらいにしか考えていないので、純血のほうが尊ばれる。ブルーブラッドなどの慣用句に白人の純血主義がよく見て取れる。
セレンは日本で育ったため見た目ではモテたが、リディアは同じ混血児でもヨーロッパ住まいだったため、モテなかった。リディアは幼児体型で可愛い顔で、日本なら間違い無くアイドルレベルだが、ヨーロッパでは人気のない見た目だ。
リディアは自分を拒絶してくる相手を恨み、世界のどこに行っても外人扱いされるこの世を恨み、その反動で自分が存在しても許される世界カルディアを創った。

セレンは子供の頃から白人の顔が嫌いで、特に女がケバくて気持ち悪かった。美人と言われる女優やモデルを見ても化物が化粧をして更に化物になっている、なぜわざわざ濃い顔を無駄に更に濃くするのか、なぜわざわざブスになるメイクをするのか、と不思議だった。
セレンには白人の美醜感覚が分からない。白人が愛でる女優はセレンにはケバい化物にしか映らない。恐らく白人の持つ白人至上主義、純血至上主義が美醜感覚を狂わせているのだろうと考えた。
本当に美しいのは犬猫の雑種と同じ混血児なのに、純血至上主義のヨーロッパではそれが認められず、白人コンプレックスのある日本では逆に実力以上にハーフがもてはやされていて、どちらの評価も間違っているだろうと考えた。

セレンは黄色人の純血も白人の純血もどちらも犬猫のブルドッグのような気持ち悪い奇形だと思っている。一番美しいのは血が混ざり合った混血児、つまり雑種だと考えている。(ただ、セレンは日本で育ったので個人的には東洋風の見た目が好きなのだが)
要するに見た目が一番優れているのは混血児だと思っている。

見た目だけではない。そもそも混血児は父母から様々な風土の免疫をもらっており、健康的にも有利だし、太り過ぎの白人ほどでないし寸胴な日本人ほどでもなくちょうどいいスタイルを持っているとも思っている。
つまり混血児は肉体的にも優れていると思っている。

・アルバザードにおける混血児

アルバザードはリディアのコンプレックスを映した鏡だ。リディアが考えた理想の国家だ。だから当然ヨーロッパと違ってセレンやリディアのような雑種の混血児が美しく優れていると評価される。ヨーロッパと違って白人至上主義も純血至上主義もない。
アルバザード人は文化も人種も混ざって切磋琢磨したほうが良い物が出来上がると考えており、自分たちの純血性をことさらに守ろうとしない。
こうなった神話的な理由としては、smで凪人に征服され凪人との混血化が進んだことや、ルティア(シージア)の影響を古代から受けてルティア人との混血が進んだことが挙げられる。
要するにフランスなどと違って純血を守る以前に政府の上層部が異民族によって支配され混血化が進んだため、混血層のほうが現代に至るまでに増えてしまい、純血層を上回ってしまったわけである。となればわざわざ自分たち混血児を自らディスる必要性はないわけで、当然多くのアルバザード人は混血児が優性であると主張することになる。そういうわけでアルバザードでは純血よりしばしば混血のほうが評価が高い。
だからアルバザードで美少女コンテストをすればリディアや紫亞のような混血児が有利になる。ただし歴史的にアルバザードには黒人が入っていないので、同じ混血児でも黒人の混血児は評価が低いし、黒人そのものも評価が低く、差別がある。
要するにフランスと異なる歴史を持つ国で、アルバザードにおいては混血児が社会の上層部に行き、かつ数も多かったため、混血児がもてはやされているわけである。
だがそれはあくまで神話的な理由であり、実際にはリディアが自らの理想の国家を築き上げるために描いた設定でしかない。結局この世界はすべてリディアの溜飲を下げ、彼女を幸せにするための物語にすぎないのだ。そしてセレンはその世界を彼女ごと愛している。

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