seles
[魔法]セレス、幻魄、魂、魂魄、霊魂、ソウル、スピリット
[レベル]
f;e
milf:古
[文化]
→maltiia
・セレス

セレスはアテンの体内にあるもので、幻晄の一種である。魔法学的には幻晄の一種だが、ヴィードというと通常ユノ・ヴィル・ノア・アルマを指し、セレスを含まないことが多い。
訳語は幻魄ないし魂であり、アテンはこれがないと生きていけない。アルテやテームスもセレスを持っている。

セレスは天国トワーユの入り口にあるヴェーユという小滝の飛沫から生まれる。
生まれたセレスはアトラスに行ってアテンに入るが、肉体が死ぬとヴェーユへ帰る。誘燈がこれをアルデルへ運ぶ。
ヴェーユでは審判を受け、善なるセレスは天国へ行き、悪しきセレスは地獄へ行く。
善人の魂は丸い球で、悪人のほど歪んでいると言われている。

しかしljまでの学問であの世の存在については証明されておらず、内情も分かっていない。
天国と地獄の存在は偽りで、単に球体のセレスをトワーユへ、それ以外をラティスへ分類しているだけとも言われる。
真意のほどはルノらのみが知る。

・人魂

セレスはアテンの体内で安定し、外に出ると透晄に変化する。
変化の際に一時的に虚質量を持ち、紫外線を放つ。

死後は死神がセレスを回収するが、回収されないまま数日間放置されると鼻からセレスが抜ける。
このときも透晄になるが、透晄に変化する際の光の波長が長くなるため、紫がかった濃い青の光を放つようになる。これが人魂の正体である。

・死神の視覚

生きている間はセレスは息に乗って出る。鼻から吸った透晄はセレスとして補充される。
冬の間息が白いように、セレスも実は白い息のように出ている。
紫外線なので人間には見えないが、死神は人間より可視光線の幅が広く、紫の少し外側は見える。これは死神には魂色として知覚される。

息を見ればそこに含まれるセレスの多寡で、死神はその人の全体的なセレスの量を推し量ることができる。
ゆえに夢喰いはおいしそうな人間を見つけることができる。

・魂の座

セレスは脳、特に前頭葉の裏に多く存在している。
位置的にはちょうど額の裏で、ダルハとの関連が囁かれる。
ヴィードは平衡しようという性質があるが、それでも例えばノアは丹田に集まるなどといった集中しやすい箇所がある。セレスの場合は額の裏である。

もちろん平衡する性質があるので集中しやすい部分以外にも存在する。
セレスはエタンに触れると流出する。傷がない状態では漏れないが、傷を受けると微かに漏れる。
腕を切断するとそこそこ漏れるが、ほとんどは脳に存在するため、切られた腕にそれほどセレスは残らない。その上すぐさま透晄に変わってしまう。
従って魂の座は脳にあるといえよう。

・ヴィード死

→aveiyu

・セレスと死神

死神は相手のセレスをごっそり引き抜く力を有する。
まず相手をヴィード死状態にする。そこから肉体の死が訪れるまでにセレスを引き抜く。
われわれ人間にはイメージしづらいが、死神に言わせると「皿に出した卵を口でつるっと吸い込む」のを「口でなく手や鎌でやる感覚」に近いという。そう言われても人間には想像しがたい。

セレスは99%以上脳に存在し、球のように集まっている。
これを抜かれるとアテンの脳はショックにより活動が停止し、脳死に至る。
その様子は老衰に最も近く、突如老衰したかのような印象を与える。

・死神の憂鬱

死神の体には彼ら特有のセレスがあるが、他人のセレスを奪うとこれが彼らのセレスと混じることなく脳内に別途吸収される。
その際セレスが神経を刺激し、エンドルフィン等の脳内麻薬が大量に放出される。
痛覚麻痺と高揚により戦闘力が向上し、多幸感に溢れるようになる。
人間の脳と異なり、この状態が長く続く。強烈な快感は数分で消えるものの、心地よい快感がその後数日から数カ月続く。その期間の長さはセレスの多寡による。

しかしその期間が終わると急激な離脱症状に苛まれ、ふたたび人を襲うようになる。
禁断症状の主訴は暴力性の亢進で、次点は性欲の亢進である。麻薬より離脱症状が長く続く。ただし徐々に低減はする。
性欲の亢進は死神の増加を示唆する。これは種の保存の合理性によるもので、人間の雄も極限状態や空腹状態では性欲が亢進する。なお死神は子育てをしないため、雌の死神も性欲が亢進する。
そういう意味で死神もまた生物としての合理性を持った種のひとつということができる。

魔法学はセレスの解析の結果、夢喰いと誘燈の間に違いはなく、単に一度セレスの味を覚えた死神が離脱症状から抜け出せないだけであることを明らかにした。
なお、中位以上の死神は離脱症状に強く、すぐに禁断症状を起こして暴れることはない。
おなかをすかせた後の食事が美味しいように、わざと期間をあけて我慢してから人を襲い、さらなる多幸感を得ようとする通な者もいる。

また、低位でも個人的に精神が強ければ長い間離脱症状を我慢できることもある。
中位でも詩姫のように魂にだらしない者もいれば、悠姫のように死神本来の食事を嫌って甘い物を代替とし、欲望を抑える者もいる。
悠姫のような変り種は死神の間では偏食と呼ばれ、詩姫は食いしん坊の扱いになる。
なお、ランヴェムのように意思の力で夢喰いを止めた驚異的な精神力の持ち主もいる。

・量と質

セレスの量は年齢によって異なる。
一般に若者は多く、老人や子供は少ない。また、健康なほうが多い。
特に人生に希望を持って生き生きしている個体は多い。

セレスは急激なストレスを与えると減る前に一度反動で増えるという性質がある。
従って希望を持った人間が突如絶望などの急激なストレスを受けると、セレスの量はその直後に跳ね上がることになる。
夢喰いはセレスのこの性質を経験的に知っている。

・味

人は糖分を多く含む食物を本能的においしいと感じるようにできているが、死神はセレスを吸収した際、セレスが味覚神経を刺激し、おいしいと感じる。
それはセレスの量が多いほど感じるようになっている。

・構造

蛍石はセレス体(セレスを持っているもの)に接触すると脱晄してセレスのみを単蓄する。
これを利用してセレスの配列を調べる。
1握だけでもあれば分析できるので、髪の毛からでも採取できる。髪の毛の毛根からセレスがなくなる前に握を採取すればよい。

セレスの配列を分析した結果、x,v,d,r殻のみ1~4(陽晄~雌晄→dolmiyu)が現れ、それ以外は0になることが分かった。

魔晄と異なり、t,p殻は性質に影響を与えない。
これはセレスに開閉がないことが影響していると考えられた。

このうちx,dの役割は比較的すぐに解明された。
魔晄と同じく属殻であり、人の場合は通常2,4無となる。火の属性の魔物は3,4火となることが多い。

一方v,r殻は何の役割を果たしているのだろうか。
分析の結果、これは人や神や悪魔といった種別を指しているものと分かった。
これはいわゆるセレスの遺伝子であり、今まで単なる力の差と考えられてきた神と人の違いが判然たる遺伝子の違いによるものだと分かった。
またこれが発見されたrdでは既に{v,r}={3,2}世代が徐々に増えてきており、nd以降の弱体化は3,2遺伝子の急速な普及によるものと考えられた。

なお、v,rを種殻という。
vで大まかな種が決まり、rで詳細な種が決まる。
vは{1,2,3,4}={悪魔,死神,人間,神}である。
残りの組み合わせを以下に記す。
ちなみにルノなどのセレス体の入手は非常に困難であったことを付与する。

v,r種
-----
1,1アルヴァ
1,2テームス
1,3その他のデーム
1,4アデル、亜魔、魔人

2,1ルノ、アトワーユ、アラティア
2,2貴族、アッカイ、エミリオ、ミスティ…
2,3下位(ミーナ、ホミス…)
2,4中位(紗枝、詩姫…)

3,1sm~rd
3,2nd~lj
3,3zg~kk
3,4tm~cv

4,1サール
4,2サールロゼット
4,3エルト
4,4エルトロゼット


遺伝子配列例

lein yutia:2,4無属性、3,2遺伝子の無力な人間。

0020
0300
4000
0002

alia ineaato:1,2水、1,4魔人。ラルドゥラ組はやはり伊達じゃない?

0010
0100
2000
0004

ridia lutia:r殻0の特異配列。エルトとサールの血が均等に混ざった希少なロゼット。流石は召喚士様?

0020
0400
4000
0000

seren arbazard:種殻0の特異配列。やはり異世界人説が正しいのか。紫苑が正史にいるなら彼女も同値になるだろう。ヒト科の動物はエタンなので、セレンはヒト科でないようだ。

0020
0000
4000
0000

・死神の種類

誘燈はセレスを引き抜き、自分の脳に吸収せずにアルデルへ運ぶ。
夢喰いは自分で食べ、ルノに背く。しかし高位は慢性的な人員不足なため、ルノはある程度は目をつぶっている。結果その高位の傘下にいる中位や低位の背信も避けられずにいる。

夢織は特殊で、セレスを抜いた相手を脳死させず、幻覚を見せる能力を持っている。
セレスを譲渡する意思を持った相手に口付けをすると、唇を経由してセレスが入る。
対象にその意思がない場合はいくら吸い寄せてもセレスが脳に居座りつづけようとするので吸えない。

吸ったセレスは口から脳でなく丹田に入り、保有される。
吸収の際、1%ほどセレスを対象に残しておくことで相手は脳死を避けられる。
この技術がないと殺してしまう。この能力は先天性によるものなので、夢織はどうしても数が少ない。
対象がやがて肉体的な死を迎えると夢織は最後の1%を奪い、腹の中のセレスとともにアルデルへ連れていく。

彼らの種の違いは遺伝子によるものではないので、夢織がセレス中毒に落ちぶれることはある。
逆に夢喰いが改心して誘燈になることもある。
ただし夢織だけは能力が伴わないとなれない。

・魂を与えられた物

エタンはセレスを持たないもののことで、アテンの対である。
動植物や物はエタンであり、魂を持たない。

しかし思いをかけ続けることで、エタンに魂が宿ることがある。
さらに形を持たない架空の存在であっても想い続けることで魂が宿ることがある。

セレスを持つ者すなわちアテンが情をかけ続けることで、エタンに魂が宿る。
こうすると九十九としてエタンがアテンになる。その際の配列は
00x0
0000
d000
0000
――である。

実はこれをセレンの遺伝子と比較すると同じ型であることが分かる。
このことからセレンを「アトラスの人々が望んだ救世主が具現化したもの」と捉える学者も存在する。
つまり彼らにとってセレンは思念体が実体を持ったものであり、正体はアトラスの人々の悪魔から解放されたいという願いだということになる。

対象が実体を持つ物なら九十九であり、エタン自体にセレスが生まれる。
一方、実体を持たない思念体の場合は段階を経る。
まず思念者の脳内に本人のとは異なるセレスが別途生まれる。
次にそれが体外に出るが、体外では透晄になってしまうため、アテンに類似した実体をエタンを材料に形成する。
そしてセレスがアテンのなりをしたエタンをまとうことで、擬似的にアテンとなる。

ただしこれは哲学的な解釈で、魔法学では証明されていない。実際に観測もされていない。
しかしセレンやアディックを説明する説としては評価できると考えられている。
そして一般の魔法好きの間ではこの説は「科学的ではないが主観に沿う話」と認識されている。
だからこそ思う。想い続けたことはやがて現実になると。

・insel

セレスの中心に一握だけ存在するもの。魂の目、あるいは魂紋とも。
x殻が0で、それ以外が0_4の値を取る。
従って組み合わせは5^15=305’1757’8125(三百五億超)存在する。

同じ組み合わせのinselは存在しない。
veeyuからのものも、最初に生まれたアルテのものも、必ず組み合わせが異なる。
従ってインセルには指紋などと同じく個人を識別する能力がある。
injinすると同じinselを持つことになる。

・セレスと精神

セレスは精神に間接的に影響を与える。直接的には与えない。
属殻は例えば水属性を持つものは火を嫌う。
種殻は例えば3,2世代は無力なので協力して寄り添って行動しやすく、統率しやすい。

このようにセレスは趣向、性質、行動、思考などの面において精神に影響を与える。
ただし、A型は几帳面でB型は自己中というような分かりやすくあからさまな性格の決定ほどではない。

・セレスと感情

強い感情はinselとselesと強力なヴィードを持った塊となる。これは凝縮してほかのヴィードと交わらない塊を形成する。ちょうどガンが正常な細胞と独立して硬くなるのと同じである。これは体内に残るが、吐露すると体外に排出される。ヴァンガルディはanvereskにこれらを回収する。原則として体外にあるものを回収する。→anveresk
ヴァンガルディにとって欲しいと思えるような感情の塊がある場合は、その感情を発散させる代わりにその塊を体内から奪うことがある。ヴァンガルディが好むのはたいてい怨嗟である。なぜなら怨嗟が人間の感情の中で最も強いためである。そう、皮肉なことに愛情よりも怨嗟のほうが強い感情だということをヴァンガルディの選択は証明しているのである。

・マルティーア

→maltiia
【成句】
xed seles ぼーっと
seles and mag 魂が揺れるような:断腸の思いで
okna seles a t tに感情移入する
tifl sat seles 我を忘れる、愕然とする、呆然とする
i seles 心のそこから、心の底から。i fionaの類似表現。
【用例】
☆an tiflat sat seles man na nau rakel. 嬉しさで我を忘れた。
non pio fan seles tuan ist papa パパに代わって異界送りよ!(紗枝)

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