tiaren
[言語]ルティア語
[レベル]
20
[文化]
→lim, hac, eldseta

●古ルティア語から現ルティア語までの概要

名称:lt(ルティア語)
系統:アテン超語族ユーマ語族マレット亜語族サヴィア超語派シージア語派ルティア語群(atenamat, yuumaemit, maletfiam, saviaifal, siiziaxeltem, lutiatalk)
使用年代:mt_lj:mt_kk(ltd), sm_rd(ltk), nd_rt(ltf), vl(ltv), al_lj(lt(lts))
分布:北サヴィア
話者:シージア滅亡後の南部シージア人。現在のルティア人
類型:SOV、AN、Po
認知様式:客観的把握

zgでシージアが滅び、北はリーゼル、南はルティアに分裂する。シージアはzgの頃は人種の坩堝で国際都市であった。zg末期のシージア戦争では最大の激戦区となっていた。
ところがzgが終わるとmtとkkでは大きな戦に巻き込まれなかったため、安定した発展を遂げるようになった。かつて文明の最先端を行っていた地域だったが、mt以降はその安定性により伝統の国へシフトした。
szと比べると、ltには名詞に性がある。また、名詞に有界性ができ、単数複数や可算不可算などができた。冠詞も生まれている。音韻的にはhが復活し、鼻母音も獲得している。複雑な二重母音の体系も生まれた。

◆古ルティア語(ltd)

語順など文法の大雑把な面はszと変わらない。

・文字

yuuma 7969 [言語][文字]ルティアがメテ幼字を公用文字に→hac

7944にメテ幼字が制定されたのも束の間、メテがソーンに暗殺され、さらに後釜についたアルシェまでソーンに敗れるや一転、メテを象徴するメテ幼字の権威は失墜した。
ソーンはアルハノンの文化圏出身者であったため、メテ幼字を廃してアルハノンを支配地の効用文字に制定(8009)。レスティルに初めて表音文字が公的に入った。
ソーンが暗殺されアルバが王位につくと、アルバはアルハノンを公用文字から除外。ところが彼自身アルハノンが公用文字だったころの生き証人で、表音文字の便利さを肌で知っている世代だった。
それまではルビとして響字を使うのみだったレスティル(この時点でアルバザード)だったが、ここで表意の幼字に戻すより表音を使ったほうが便利でかつ国民の適応も早いのではないかと考えた。そこでアルバは幼字を廃し、響字だけで記すよう定めた(imul 5)
一方ルティアはすでにこのとき伝統を重んじる国になっていたため、7969に採用していたメテ幼字しか使わず、表意が使われ続けた。

・音韻

zgが終わってmtが始まると戦争の終わりとともにハーディアン人との貿易が活発化し、hがもたらされる。
szでは消失して'になっていたが、ltd以降に入った語にはhが付く。この時代の人々は例えば'orettに元々hが付いていたことをもはや知らないので、'orettなどはhorettに戻らずそのままになった。これは自然言語で一般的に見られる現象である。例えば日本語ではpがhに変化した時期があるが(ピカ→ピカる→ピカり→光)、「パソコン」などの外来語ではそのままp音で再び取り入れている。
szにはhはないが、ltにはhがある。'を見ればsz由来の語だと分かり、hを見ればltd以降の語だと分かる。

・格

与格も格を持つようになる。
与格ilが膠着して(i)lになる。
filial(少女に)、lizrol(家に)、falanil(貴方に)
主格と音が似るケースがあるので注意。

主格:母音調和した母音+r:falan→falanar(ファラナール。貴方が)
対格:(s)aj:'orettaj(オレッタージュ。リンゴを)
与格:(i)l

・名詞の数

zg末期ごろからmtの始まりにかけて複数のseがsとして膠着し、複数形を指すようになった。
無声音にはsで、有声音にはzが付く。lapならlaps、labならlabz。
無声音と有声音の対立のない子音の場合はsが付く。lanならlans。ただしその後に有声音が来ると濁る。lanzar。
開音節にはzが付く。laならlaz。

この後、tu keno(これの)がtunになり、tunが「ひとつの」を指すように意味が変わり、単数形が生まれる。
それから「~というもの」という名詞の概念そのものを指す接尾辞として-(l)ettが生まれる。
'orettett(リンゴというもの)

◆遠ルティア語(ltk)

+前期sm

mtとkkで戦火を避けltdではルティアは発展を見せていた。
smに入り、imul159にアルティアで魔導師が減少し、武士の台頭への機運が高まる。
444にルティアはアルティアを攻撃し、開港を迫る。アルティアで開国と攘夷に分かれ、内乱が発生。
684にアルティアがルティアへ侵攻。
745にトモエ陥落し、ルティアは西部を奪われる。

+中期sm

前期末から中期にかけてアルティア人の支配を受け、altの語彙や文字が流入する。
異文化を取り入れるアルバザード人はaltとの混合で二重把握を獲得したが、伝統を重んじるルティア人は客観的把握を貫き通した。

+後期sm

・鼻母音

rdで宮廷を中心に鼻母音ができる。
anがフランス語のanのように発音される。

・二重母音

同じくrdで宮廷を中心に二重母音の音価が変化する。
合字のoeのような音である。
この変化は宮廷から徐々に庶民へ広がっていった。

・名詞の性

再びルティアは力を取り戻し、リーゼ姫の時代に最盛期を迎える。
リーゼ姫の頃には宮廷で詩歌の対照技法が流行した。対照技法というのは二文一対の中で太陽や月といったペアとなる単語を織り交ぜる技法のことである。例えばABという2つの文があるとする。このうちAで太陽を使い、Bで月を使い、対照させるという具合である。
なお、太陽と月のほかには男と女などがあり、この分類も彼女が行った。彼女は男が含まれる名詞を男性名詞と呼び、女が含まれる名詞を女性名詞と呼び、それ以外の対照性のない名詞を中性名詞と呼んだ。

ところでABに続くパラグラフでA'B'というのがあったとして、このA'B'の中で太陽と月がもう一度言及された場合、どうなるだろうか。
当然代名詞で受ける確率が高いわけだが、3人称の代名詞はluしかないため、太陽も月もluで受けることになる。するとどちらがどちらを受けているのか分からなくなってしまう。

対照技法においてABはたいてい似た構文を取るため、A'B'でどちらもluを使うと、どちらがどちらか分からない恐れがある。
ABの次に必ずA'B'が来ればまだしも、B'A'という文の順序になるケースもあり、このような場合はさらに誤解を招きやすい。

そこでリーゼはluをアプラウトさせた(=リムレットさせた)laを作り、luとlaで受けるようにした。
この案を思いついたときに書いていた二文一対の文ABが太陽と月をこの順序で含んでおり、リーゼは試験的に太陽をluで受け、月をlaで受けた。
それが宮中で評判となったため、リーゼは男性名詞をluで、女性名詞をlaで受けるようにした。

この時点では中性名詞はluで受けていたが、luは男性名詞を受けるものだという感覚が一般化すると、中性名詞はtuで受けられるようになった。
これがきっかけとなり、既出の名詞はtu, lu, laで義務的に受けられるようになり、定冠詞が生まれる。

一方、このころ単数形は上記tunで表していたわけだが、定冠詞ができたことでtunと並行しながら不定冠詞が規則的に生まれる。
tun, lun, lanでそれぞれの性の不定冠詞である。

・指示詞

tuが冠詞になって消えたことで「これ」と「あれ」の対立が消え、Luが指示詞としての意味をなさなくなり、消滅。
しかし指示詞を使わないわけにはいかず、同時にtutuからtut、tuluからtuulが生まれ、「これ」と「あれ」の対立を作る。
いずれも前置。

これらは指示詞であって冠詞ではない。不定冠詞でも定冠詞でもなく、指示をするためだけにある。
フランス語のceはunでもuneでもleでもlaでもないが、あれに近いものを想像すればよい。

・まとめ

男性定冠詞 lu
中性定冠詞 tu
女性定冠詞 la

男性不定冠詞 lun
中性不定冠詞 tun
女性不定冠詞 lan

近称指示詞 tut
遠称指示詞 tuul

◆中ルティア語(ltf)

・文字

アルカができたことで、アルカの幻字が入ってくる。
音の表記に便利なため、音の表記に使われた。

・語彙

文法は相変わらずだが、語彙はアルカのものが入るようになった。
ただ、最初のころは外来語をルティア語に翻訳して取り入れる国粋主義的な手法が一般的であった。
しかしこれは後のミロク革命で一転することとなる。

・名詞の性

名詞の分類が対照性を持たないものにまで広がり、中性名詞が消滅。
不定冠詞の頭子音が消失。
tuがお役ごめんになったことで近称指示詞のtutが短縮され、tuに。

男性定冠詞 lu
女性定冠詞 la

男性不定冠詞 un
女性不定冠詞 an

近称指示詞 tu
遠称指示詞 tuul

・テンスとアスペクト

アルカの影響を受け、テンスが変わった。
連動詞式は止め、動詞に接尾辞を付けるようになった。

過去:-(e)t futat(与えた)
現在(通時):-s futas(与える)
未来はkerを文法化して表す。 futa ker(与えるだろう)

アスペクトは変わらず助動詞で表した。

◆近ルティア語(ltv)/ルティア語(lt)

・文字

時代を追うごとに幻字の使用頻度が増したが、幻字はltを記すのに適していないため、理字も使われ続けた。

・語彙

アルカの語彙が大量に入ってきた。

・格

アルカの影響を受け、SOVの標準語順の場合、与格以外が落ちるようになった。
ただし玲方語ではltでも格が落ちない。
ltf: un manisar an filial la xeliusaj izolet. イュン マニサール ア~ン フィリアール ラ シェリウサージュ イゾレーット
ltv/lt: un manis an filial la xeliu izolet. イュン マニース ア~ン フィリアール ラ シリウーゥ イゾレーット
arka: ko vik sinsat xelt a xe fian.

●ルティア語(現ルティア語、現代ルティア語、lt, lts)概説

分布:ルティア、リーゼル、アルバザード、アルティア、ミディート…

ltsの前身はltvで、ltsはal_ljの間に使われた。
他方、lt全体の前身はszである。zgでシージアが国際都市だったことから、szは当時最も学問的に進んでいた。それゆえ現代でも特に人文分野にはsz_ltが多く使われる。例えば言語の年代名はsz_lt語を使う。ltvはlutia vlandと読む。ここに形容詞vlandが使われている。
一方、錬金術や科学はsm以降アルバザードで発達したため、これらの分野の術語はar_aを使うことが多い。

<文字と音節の変遷>

tmでszdができる。
srでアクサンの位置が最終音節に固定。
zgで響字が作られたとき、szは24子音9母音計33文字を選択。響字は読み仮名として使われ、文字自体は幼字を使用。
mtでLがなくなる。
kkでc,Mがなくなる。子音22の母音8の計30となる。
前期smでアルティア人によって幼字が廃止され、読み仮名でしかなかった響字で記されるようになる。
中期smで理字ができる。このとき上で述べた30個分の字が制定される。

後期smで二重母音の音が変化する。
ai[W:]
ae[W:]
aa[A:]
ao[o:]
au[o:]
ei[e:]
ee[E:]
ea[W:]
eo[Q:]
eu[N:]
oi[N:]
oe[Q:]
oa[wa]
oo[O:]
ou[o:]
i+母音は口蓋化してヤ行風に。plieはプリェと発音。
u+母音は唇音化してワ行風に。kuaはクヮと発音。

rdで鼻母音ができる。
ndで単母音の音価が変わる。eは環境によって[q]になり、uが[M]になった。
rtで定冠詞luの発音が[lq]となる。

vlで冠詞と母音で始まる単語の間にエリジョンが起こる。lu asieでl'asie。la elsiでl'elsi。
ただし、ルティア語には「単語は同じなのに性が変わると意味が変わるもの」が多くある。例えばlu savanは腕でla savanは手である。同じくlu akuaは青い紫陽花で、la akuaは赤い紫陽花である。akuaの場合、どちらもl'akuaにしてしまうとどちらの意味か分からなくなる。このような場合には古形であるlun, lanを用いてlun akua, lan akuaなどとする。

<ルティア語の音>

無アクセント。デフォルトは最終音節。高低アクセント。
音節は複雑で、パターン数は多い。短く区切る傾向にあり、CVCCなら2音節で読む。

22子音8母音。30音。ひとつの音素が複数の音声として現れることがある。母音e,uなどは特に音声のバリエーションが多い。cはなく、lに置き換わる。
t,d,s,z,n,m,l,r,S,Z,x,j,p,b,f[F],v[V],y,w,k,g,H[C][K][H],h
i[i][I],N,e[e][E][q],Q,W,a[a][A],o[o][O],u[u][U][M]

音節末のp,t,s,kは読まない。lat[la]
後ろにeが付くと読む。このときeは[q]に。late[latq]
p,t,s,kでも子音が重なれば読む。latt[lat]。上とシュワーの有無で異なる。
それ以外の子音は読む。led[led]

eは音節がCVのときに[q]になる。lena[lqna]。leはアクサンが来るので[lE]
ほかの母音同様アクセントが付く場合は強くなる。eの場合は[E]になる。lanet[lanE]
音節がCVでも最終音節の母音がシュワーしかない場合はアクセント位置が繰り上がるため、eでもシュワーにならない。lenaは[lena]だがleneになるとneにアクサントは付けられないのでleにアクセントが来て[lEnq]となる。

uは[M]だが、定冠詞luのみ[lM]でなく[lq]。これは高頻度による音の弱化。


cuukiite[lu:ki:tq]
lumiine[lMmi:nq]
lu flam[lq Flam]
la fiole[la Fyolq]

<ルティア語とフランス語>

ルティア語はよくフランス語に似ていると言われる。作者がフランスの混血だから意図的に似せたのではと勘繰られるのだと思う。文法も単語もfvから作っているので、地球においてはアプリオリの人工言語である。特にフランス語を流用したということはない。ただ、下記のルティア人の感性は実際には作者の美的センスが反映されており、かつ作者はフランス語をある程度美しいと考えているので、影響は受けているといえるだろう。

<ルティア語の自然性>

ルティア語は地球で使うことを念頭においていないので、セレンはルティア人らしい美的センスを追及した造りにしようと考えた。
アルカはtやsが多い。破裂音が多いとコロコロして聞こえ、摩擦音が多いと耳障りだ。lのような流音が多いと流暢に聞こえる。これは人類に共通の感覚ではないが、ルティア人は一般にそのように感じる。言語学的には人類全体に共通する音のイメージはあまりないが、ある言語に限ればこういうことはある。例えば日本人は一般に清音より濁音を汚いとか強いと感じる。
またルティア語は抑揚が少なく流れるように聞こえるため、上品に聞こえる。これもルティア人の感性だ。
さらに文法には自然言語らしい冗長さを加えた。アルカはアトラスではアポステリオリ人工言語なので、自然性が純自然言語のルティア語より薄い。ルティア語に名詞の性があるのは自然言語らしさを描写しようという試みの一環である。とはいえ、もちろん面白いからという理由で付けたのではなく、言語学的な発達を並行して考慮してのことである。

a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 
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