否定の度合い
tu et rat merelを「100%良い」と数値化して数直線で考えると図の1のようになる。
「全然良くない」、つまり「0%良い」は2になる。
これは「0%悪い」と論理的には同義であるが、日常言語としてはtu et yam yuulと比べてニュアンスの違いがある。
「0%良い」を通り越してむしろ「-100%良い」すなわち「100%悪い」は3になる。yuuとgastの違いに注意。
1のetを否定してen etすなわちdeにすると4になる。これは「100%良いということは少なくともない」という意味である。
そこそこ良いかもしれないし、悪くないことを一切保証していないので、場合によっては悪いかもしれない。
それゆえ変域は-100<=x<100である。
1の副詞部分を否定すると5になる。
tu et ratの部分は既に肯定されているので、良いことには違いない。しかし良さが少なくとも100%ではない。
そのため、変域は0<x<100となる。0が入らないのがポイント。
① tu et rat merel.
② tu et rat yuul.
③ tu et rat gastel.
④ tu de rat merel.
⑤ tu et rat en merel.
訳す際、注意すべきはgastとyuu。日本語の場合、「全然~ない」など、成句を使って示す。
en merelやde merの場合は取り立て助詞「は」を使い、「完全に良くはない」のように訳す。
一方アルカの場合、en, mer, yuu, gastなど、副詞を使って統一的に示す。
なお、文法的には1,2,3は肯定である。
4は全部否定である。5は部分否定である。
●yuuとgastが等価なケース
「猫を飼っているか飼っていないか」は0か100かの二値である。
一方、「彼はお金を持っているか」の場合、ふたつに分かれる。
一円でも持っているかどうかという意味ではむろん二値であるが、日常的にはこの文は「お金持ちかどうか」の意味で使われる。
凄く持っている場合は100であるが、多少持っている場合は0と100の間であるため、二値ではない。
従って、lu til gilの変域は0<x<=100である。
ところで、「0%お金を持っている」は「お金を持っていない」と同義なので、0%の地点はlu si gilと同義である。
tu et yam merelは数直線上で-100%の位置だったが、lu si gilは-100%が存在せず、0%で行き止まりである。
従って、このような数直線の場合、yuuとgastは等価となる。
すなわち、lu til gil merelが100%を指す一方で、lu til gil yuulとlu til gil gastelとlu si gilは論理的には等価ということになる。
むろん、これらはそれぞれニュアンスが異なる。
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