経済と体力
*語りかけに近いので文体を変えています
アルカのような量と質を持った言語(以下単にアルカ)を作るには、言語学の知識や語学力が必要です。
さらにあらゆる学問や風俗を広く浅く知ることも必要です。
それは皆さんご自覚があると思いますが、意外と見落とされるものがあります。それはお金と体力です。
まずお金。
家が資産家でもない限り、働かなければ食べられません。
日本は定時で上がれる会社が少ないので、事実上アルカを作れるのは学生時代だけです。老後は恐らく体力的に厳しいでしょう。
高校のうちに大学程度の言語学知識等を身につけておき、大学時代に本腰入れて作業すると間に合います。しかし受験はその分犠牲になり、人生トータルで考えると損をします。
財産があるか定時で上がれれば、大人になってもできると思います。
私の場合、父親が財産どころか在職中に倒れたり、千万単位の借金をしていたので、話になりません。
普通はそこで諦めますが、仕事をしながらアルカを続けました。
すると当然体を壊します。そこで体力の話になります。
私は腰、肩、目、肝臓、胃を壊しました。入院は二十代で三回しました。病気になってなお「おかげで健康関連の単語をリアルに作り込めるなぁ」と思いました。
胃炎になり、十二指腸にも潰瘍ができました。どうにか薬を飲みながら作業しました。
そんなこんなで転職かアルカ撤退かを選ばされたこともありますが、アルカを選びました。稼ぎは減っても食えればアルカは続けられます。
人によって壊す部分は違います。腰に来なくても心臓や脳に来る人もいます。
いずれにせよ甚大な労力がかかるので、どこかしら体を壊すのは確実です。酷いときは一日20時間以上PCの日々で、普通の社会人の二倍働いていたようなものです。
私はもう中年ですから、若い人がウチを参考にアルカを越えてほしいと思っています。体調を悪化させたくないので作り方には応じていませんが、それは言語論やアルカを参照してくださいということです。
ただ、後から私のせいで病気になったと言われても悲しいので、きっちりここで言っておきます。
体は絶対何らか壊します。私の後を継ぐ人は覚悟してください。アルカ並みのものを作れば、その代償として24時間365日何らかの不定愁訴に悩まされます。
参考までに、体感的には文筆の負荷を10とすると、絵が5でプログラムが3で動画鑑賞は1くらいです。そして言語作りはほぼ辞書作業です。
ここで読者は私が単に虚弱なのではないかと思うことでしょう。
私の場合、体調が良いときでも60kg程度と華奢です。手足は体重より細く見えますが、これは単にフランスの血によるもので、向こうに行くと私のようなシルエットが大勢います。
社会人になるまではFightingなどからバーベルを取り寄せて自宅をジムにしていました。スクワットは浪人時代に1200回連続記録があります。また、武道の経験も多少あります。従って筋力は元々あるほうです。
持久力はというと、ロードレーサーでない自転車で埼玉から京都まで走ったことがあるので、これも人並みを大きく越えます。むしろ学者肌の人間には珍しい部類といえます。
ゆえに私に特別体力がなくて体調を崩したと考えるのは合理的でありません。
物作りは物ばかりに意識が行きますが、作る環境について考えるのも大事なことだと思います。
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