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異世界における言語の変化

異世界でも言語は変化するが、当然地球の言語学をそのまま流用しても辻褄が合わない。
例えばアトラスには電話のないころから電話のような通信魔法技術があった。また、地球人が壁画を書いているころにアトラスの神は紙に文字を書いていた。
となれば古代の地球と同じような変化をするわけがない。神も魔法もない地球の言語の変化をそのまま適用することができないので、独自に変化の仕方を考察する必要がある。

まず、言語の変化および方言化を促す要素と抑制する要素というものを定義する。
促進:鎖国などの政治的な閉鎖性、海洋や山岳などの地理的な閉鎖性、技術の発展
抑制:交通の便、電話、テレビ、ラジオ、ネット、宗教的価値観(アラビア語のような)

日本には方言があるが、古代からテレビがあったらここまで方言は多様化しなかったと考えられる。また、空を飛べてもやはり同様であったろう。
今後日本語はIT関連の単語が継続して増えるだろうが、メディアの発達によって方言化は抑制される。
京都では尻のことをおいどというらしいが、パソコンは日本全国パソコンである。メディアが整ってからの方言化は抑制される。

アトラスの場合、cvまでは通信魔法が存在した。また、人は神にまだ近く、かなり自由に飛ぶことができた。
これは地球でいえばテレビと飛行機があるようなものだから、この状態で言語の変化がスタートすれば、当然同時代の地球より変化が抑制されることになる。
従ってszdなどの言語はfvと大差ないことが伺える。さらにこのころの人類は寿命も極端に長いため、余計変化は抑制される。
このように、単に時間の長さだけで変化を予想できないのが異世界の難しいところである。

zgになると飛行力が落ち、神もアトラスから去り、何より通信魔法がcvの大戦中に破壊されてしまったため、言語の変化が起き出す。
ただし寿命が地球人より圧倒的に長く、空もまだ飛べたため、地球に比べれば当然緩慢であったと考えられる。
zgからkkは約8000年あるが、平均的な成人男性の寿命や飛行力等を考慮すると、言語の変化はせいぜい地球の800年分程度に相当する。
この点を考慮しないで地球の変化をそのまま当てはめるとリアルな異世界にならないので注意。
「8000年も経ってるから現アルカから遡ってひとつずつ考察しながら作るなんて面倒なことしないでパーっと作っちゃえばいいや。どうせ8000年も経てば原型がないくらい変化するだろ」というような安易な発想ではリアリティがない。

ルティア語やアルバザード語といった言語に独特な文法や単語はおおむねこのzgから形成されることになる。
歴史的に見てもちょうどzgからが人類の時代なので、しっくりくる。

sm後半になると王族など一部を除いて寿命は地球人と同じになっていき、飛行力も落ちていく。
全人口の寿命がある日突然短くなるわけではなく、smの1200imまでの1200年間がおおむね地球の400年換算となる。
1200imあたりでほぼすべての人が地球人と同等の寿命になり、飛行力も相当低くなるため、そこからアルカができるまでの400年はそのまま地球換算でも400年でよい。
従ってsmの頭からアルカができるまでで地球換算で合計800年ということになる。

なお、smは科学の前身となる錬金術などの台頭で新語が増え、言語の変化に加速度がつく。
ndでは魔法も消え、科学が発達し、言語の変化は地球と変わりない。
ただし国際語としての力を徐々に持ち出したアルカの存在により、新語に関してはアルカの単語が入っていくことがあった。
vlにはテレビやネットの普及し、ますます新語はアルカのまま取り入れられた。現在のITにおける英語と同じである。

こうして見ていくと、各言語の萌芽が出てくるzgからアルカが出てくるrdまでの約10000年について異世界的な言語の変化を考察すればよいとわかる。
この10000年の体感速度を考えなければならない。zgからkkまでの8000年間が地球換算で800年。同様にsmからアルカまでの1600年間の地球換算の合計が800年。しめて1600年間となる。alやljから見れば約2000年前ということになる。

alが今の地球でrdが中世ヨーロッパのイメージだとすると、おおむねラテン語が現役だったころからfvの崩壊が起こったことになる。
すると体感的にはおおむねラテン語がfvだとして、現代フランス語が現アルカという概算になる。
これをひとつの目安に言語変化を考察していけば、タイムスケールの異なる世界の言語を考察するのに役立つ。

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