定義と具現化
●定義と具現化
世界の創造は2種類の作業に分類される。
ひとつは定義であり、ひとつは具現化である。
例えば国旗のデザインを定めるのは定義である。それをphotoshopなどで画像化して読者に分かりやすい形で提示するのが具現化である。
人工世界の創造において重要なのは定義である。具現化は読者にイメージを伝えやすくしたり、読者の目を引くための道具である。あるいは作者が自分で理解を深めるための道具である。
具現化は任意に行なって良いが、優先順位は低い。定義がなければ具体化は絶対にできない。具現化よりも定義が必ず優先される。
●定義の例
・言語制作:人工言語の作成。最も労力のかかる部分。カルディアの場合、人工言語アルカが付随する。
・史記:その世界が始まってから終わるまでの全ての歴史物語。カルディアには幻想話集アティーリがある。
・年表:歴史を通覧するために必要。カルディアにはイルムスがある。
・辞書:言語に含まれると思われがちだが、辞書の文化欄は世界を定義する代表的な項目である。カルディアには幻日辞典がある。
・国旗や暦や娯楽や度量衡などの文化品:実際に作るのではなく、テキストベースで定義を行う。カルディアにはメル暦やメルフィなどがある。
・風水や五行など固有の概念:定義を行うのみ。表などの作成は具現化に分類される。カルディアには魔法理論ドルミーユなどがある。
・地理:世界地図や国内地図。地名やランドマークについて定義する。実際に地図として画像化するのは具現化に分類される。カルディアには惑星アトラスなどがある。
・ランドマーク:橋や塔や山や建物など、ランドマークについて定義する。イラスト化は具現化に分類される。カルディアにはファルシアン宮殿などがある。
・音楽:国家や文字の覚え歌などをテキストベースで定義する。カルディアには幻字の歌などがある。
・芸術:どの時代にどのような芸術家がどのような美術品を作ったかという定義を行う。カルディアにはランスケルン美術館などがある。
●具現化の例
・小説:その世界を背景として使った小説の作成をすることで世界を具体的に表現する。カルディアには『夢織』などがある。
・ゲーム:創ることで世界に対するとっつきやすさを上げ、敷居を下げるとともにユーザーの裾野を広げることができる。カルディアにはavelantisなどがある。
・漫画:同上。未来技術では3Dモデルを使った漫画の制作が可能になり、漫画家以外でも漫画を制作することが可能になるだろう。カルディアにはねこにっきなどがある。
・アニメ:同上。2011年現在では未経験の個人がやるのは絶望的である。
・被服:民族衣装を実際に縫って作ることで異世界を具現化する。カルディアにはセリア(浴衣のような服)などがある。
・辞書のビジュアライズ:写真付きの辞典にすることで辞書がより分かりやすく見やすく具現化される。
・国旗や暦や娯楽や度量衡などの文化品:実際に作ってみる。photoshopなどで画像として作ればイメージが湧きやすい。
・風水や五行など固有の概念:定義したテキストデータを元に表などを作成する。
・地図:定義した地理データを元に地図を制作する。世界地図や国内地図を作る。
・ランドマーク:橋や塔や山や建物など、ランドマークをイラスト化ないしCG化する。これによりイメージが湧きやすくなる。
・音楽:国家や文字の覚え歌など、定義したものを実際に演奏したり歌ったりすることで具現化する。
・芸術:デザインや歴史的背景等を定義した作品を実際に作ってみることで具体化する。
●作業分担
幻奏士(世界と言語を創る者)の仕事は定義が中心である。
具現化はあくまで読者の目を引くために行う客寄せパンダに過ぎない。その証左として、売り物のファンタジーは定義よりも具現化に注力している。
しかし幻想士の本業は定義を作り込むことである。具現化は外注するか、未来技術が進んでより良い制作環境が実現したときに作ればよいものである。
従って、基本的に幻想士の作業はテキストベースの定義である。
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