xistina
[色][芸術]伝統色、システィナ
[アクセント]xistinA
[レベル]
1610(21):famii;kaoxist/na
21
[文化]
→verim

・日々の色

アルバザードでは日付によって固有の色(selnim)が存在する。rdでファミイとセレンが制定した色で、366色存在する。
letteのように特定の伝統色ではなく色グループ全体を指すものもある。kaafなどもそうである。
mediaのように伝統色にありながらも同時に黄緑という色グループ全体を指す語もある。
bakmのように伝統色にない単色ないし色グループも存在する。

クルノース家門外不出のkaolinにより実現したもので、色魔法の下地となる概念である。kaolinができたsmより前の段階では、人類の持つ色は鉱物や植物や動物などの自然物から得られるものに限られ、ここで述べる伝統色のような理論的な色の体系を求めるのは不可能であった。というのも、ある特定の色を出すための材料がそもそも存在しないということがあるためである。

・暦と色

地球では色相環は10色を使うことが多いが、アルバザードでは12色である(円環状のものはたいていアルミヴァを使うため、オリジナルの文化としてカルディア独特の色相環を作る必要がある)。
これに無彩色を足すと13になり、ちょうどメル暦の月の数と一致する。月は28段階に分析されるので、13カ月で364色になる。これにaxetとteemsを足すと都合366色になる。
これにより誕生日固有の色、その人のパーソナルカラー、色占いといった文化の創出が可能になる。

・四季週

ひと月の内訳である28日は週ごとに分かれ、axte, flea, alis, xierの7色ずつに分かれる。各四季週の彩度と明度は以下のとおり。春は麗らかなので、春週は明度が強く彩度の弱いパステルカラーを採用している。夏週は明度彩度ともに高く、原色や純色が現れる。これは夏の強い日差しをイメージしている。秋週はややどんよりした色で、これから暗い冬週へ向かっていくイメージ。そして冬週が彩度明度ともに弱い暗く落ち着いた色である。これは月の4週を四季で表現することから生まれた考え方で、真夏の月にも冬の週があるし、真冬の月にも夏の週があることからできた発想である。
月の前半をアルシェの週といい、後半をソーンの週という。総じてアルシェは明るい色で、ソーンは暗い色である。ソーンは秋冬の担当で、落ち着いたシックな感じや渋いイメージを醸し出している。アルシェは原色や明るい色を担当している。音楽の長調がアルシェだとすると、短調がソーンであり、どちらにもそれぞれ価値や使いどころがある。

季:明度:彩度
春:強い:弱い
夏:強い:強い
秋:弱い:強い
冬:弱い:弱い

・アルミヴァ色相環→adel

色相環は一番上が黄緑(RGB=128・255・0=80FF00)になるように配置する。黄緑を12時(0時)の方向にしたら、次は3時のポエンが赤(RGB=255・0・0=FF0000)になるように色相環を配列する。
なぜこうする必要があるかというと、赤(暖色)が女性で青(寒色)が男性を象徴するためである。アルミヴァは里程標となる0時と3時が女性で、同じく里程標となる6時と9時が男性である。従って黄緑を0時にして時計回りの色相環を作るとちょうど良くなる。
色相は0~359までの角度で示す。地球は赤は0だがアトラスでは90なのでずれがある。このまま計算に用いないこと。本項ではRGBなどの数値は読者もフォトショップなどで確認できるよう、地球の角度で示している。

以下アルミヴァと色の対応表。参考にした資料がどうもフォトショップで実際の色と比べた時に正しくないように感じられたため、色名はセレンが目で確認して付けたもの。ただそれではきちんと伝わらないだろうから、括弧内にRGB値を入れておいた。
向かい合う角度は足すと白(255・255・255)になる。例えば角度30(幻天では60)は255・127・0で、向かい合う210(幻天では240)は0・128・255で、足すと255・255・255になる。

アルミヴァ:色(RGB):色相角度(幻天):色相角度(地球)
セイネルス:黄(255・255・0:FFFF00):30:60
ティーテル:橙(255・127・0:FF7F00):60:30
ポエン:赤(255・0・0:FF0000):90:0
ネルメス:赤紫(255・0・127:FF007F):120:330 (数値的に赤紫なのは異論ない。しかしセレンには濃いピンクに見える。どうも紫系統の認識がずれているようだ)
クレーヴェル:紫(255・0・255:FF00FF):150:300 (青と赤が255なのでまごうことなき紫なのだが、セレンの目には赤紫に見えた。というかこの色のことを赤紫というのだとずっと思っていた)
カルザス:青紫(128・0・255:8000FF):180:270 (赤が青の半分なので青紫なのは間違いない。だがセレンはこれが真紫だと思っていた。数値を見て驚いた)
ヴァルファント:青(0・0・255:0000FF):210:240
ヴァルゾン:淡い青(0・128・255:0080FF):240:210
ティクノ:水色(0・255・255:00FFFF):270:180
フェンゼル:青緑(0・255・128:00FF80):300:150
ネブラ:緑(0・255・0:00FF00):330:120
コノーテ:黄緑(128・255・0:80FF00):0:90

この配置だと女性であるティーテル、ポエン、コノーテがちょうど暖色になる。なんとも奇跡的な話である。
例外はセイネルスだが、そもそもこれは生きている剣なので性別が判断しがたい(どちらかというと男性だと思うが)。

さてこれをメル暦にどう対応させるかだが、アルバザードの四季に合わせて配置したほうが季節感がある。真夏の8月に青というのはイメージに合わなかろう。そこで暖色が夏になるように配置したい。アルカでは夏は夏至から始まる。6・21ごろなので、ral melごろである。夏の終わりは秋分の前日。秋分が9・23ごろで、mik linごろ。つまりral_mikがおおむね夏ということになる。4カ月間である。そして黄緑~赤までで4色である。そこでralを黄緑にするとmikが赤になり、暖色が夏に収まる。6月はまだ春と夏の間なので新緑の緑の終わりから黄への過渡期であり、ちょうど黄緑でよい。すると夏真っ盛りのpalが炎の色の橙になるのでちょうどよい。赤と橙だとより暑く感じるのは炎の色の橙なので、mikが赤というのは異論ない。
8のralが黄緑でkonooteということは、11のmikが赤でpoenということになる。13のrujは無彩色なのでスキップ。すると翌年のdiaは紫でkleevelとなる。すなわちメル暦起点のdiaは紫のクレーヴェルからスタートすることになる。秋の終わりの肌寒い季節で、これから寒い青に向っていくのでちょうどぴったりである。
こうしていくと年始は紫になり、最も寒い月が青になるのでイメージに合い、さらに春から初夏にかけて新緑の緑となる。総じて巧い配置になっていると言える。

・明度と彩度

色相については分かったが、明度と彩度はどのように定めるか。明度と彩度についてはHSV色空間(verim)で捉え、ともに0~100%(ないし0~1.00)の変域を持つとする。
しかし彩度20%以下はふつうの人間の目にはグレーすなわち13月の領域に見える。また明度20%以下はどんな色相や彩度であってもどのみちふつうは黒に見える。しかもこれは色を並べたときの話で、単体で色を見たときではない。彩度20%明度20%の程度の赤はグラデーションの中では周りの灰色との比較で有彩色に見える。しかしこの色単体を取り出すと黒か灰色に感じられる。せいぜい凝視して「赤味がかった灰色」に感じる程度で、これを見てとっさに赤だと思う人はまずいない。
となるとこの色はコノーテの月に入れるのはおかしいということになり、伝統色からは排他される。日常的な視点で人間が有彩色だと感じない色を伝統色として採用するのは不自然である。
むろん現代アルバザードのアートでは366のような少ない色数で満足することはないのでこれらの色も使用するが、少なくとも伝統色には採用されない。

単体で見た場合、ぱっと見有彩色に感じられるのはどの程度からであろうか。色相tiknoの水色(地球だと180°)で、彩度明度22%とすると、地球ではH(色相)=180、S(彩度)=56、V(明度)=56になる。彩度と明度は16進数である。これをRGBにすると2C3838で、10進数では445656である。この色はIphoneなどの端末で見ると(端末の設定によっても異なるだろうが)ほとんど黒に見える。しかしPC上でフォトショップなどで確認すると深い青に見える。
ここでもしSVを9%にするとほぼ完全に人間の目には黒に見え、有彩色とは認識されない。もちろん9%分あるので分類上は有彩色なのだが、人間の目にはそのように感知されない。というわけで9%だと有彩色と認識にするには下げすぎで、22%だとまずまずということがいえる。ただ22%でも実際はだいぶ灰色に見えるので、現実的には28%くらいがぎりぎり単体でもぱっと見て有彩色に感じられる下限ではないか。

ところで先ほどから22%だ9%だ28%だといっているが、この区切れの悪い数値はどこから来たのか。
ひと月は28日あるので28色ある。28色はリディアの月なら紫だが、同じ紫でもこれを28種に細分化せねばならない。細分化するには明度と彩度を弄るしかない。そこで日にちによって明度と彩度が変わるようにしたいわけだ。
明度と彩度の最大値を100%とし、これを14段階にそれぞれ区切る。1段階目である最大値は彩度明度ともに100%なので、残り13段階についていくつずつ数値を減らしていけばよいかという話になる。もし10%ずつ刻んでいったら数値がマイナスに突っ込んでしまうので不可。逆に1%刻みではほとんど色の違いを感じられないので無意味。
そこで色の違いを保たせつつ、かつ人間の目にも有彩色と感じられる値を下限としたい。目視の結果、28.5%に当たりを付けた。下限を28.5%にすると、刻み幅は5.5%になる。もし幅を5%にすると下限は35%になる。しかし人間の目には22%でもどうにか有彩色と感じられるので、下限を35%で区切ってしまうと全体の色域が狭くなってしまってもったいない。逆にもし刻み幅を7%にすると下限は9%になるが、これでは黒にしか見えず、有彩色に含めるのは無理がある。
そこで5.5%で刻んで下限を28.5%にするのが妥当と思われる。これは感覚に基づく判断だが、rdの技術力ではまさに感覚に基づいて伝統色を設定するしかなかったので、文化的にも歴史的にもそのほうがかえって整合性がある。

まとめよう。明度彩度ともに100%を最高値とし5.5%刻みで下限が28.5%になるような14段階のスケールを求める。
このうち前半7段階を強とし、後半7段階を弱とする。すると以下のようなスケールが得られる。
なお、強列は降順で、弱列は昇順とする。これは後で分かるが、100/100という強い組み合わせだけでなく28.5/28.5という弱い組み合わせや、あるいは100/28.5のような片方だけが強い組み合わせを作ることができるようにである。

明度強:100, 94.5, 89, 83.5, 78, 72.5, 67
明度弱:28.5, 34, 39.5, 45, 50.5, 56, 61.5
彩度強:100, 94.5, 89, 83.5, 78, 72.5, 67
彩度弱:28.5, 34, 39.5, 45, 50.5, 56, 61.5

これで28段階揃う。そしてこれらを上述の四季週のイメージに合わせて組み合わせる。
あくまでこの春夏秋冬は月の中の週であって、真夏に冬の週もあるし、真冬に夏の週もあるので混乱しないよう注意。

季:明度:彩度
春:強い:弱い 白く淡い色。パステル。春の柔らかいイメージ
夏:強い:強い 白く濃い色。純色や原色。夏の強いイメージ。夏野菜の色でもあり、色の少ないrdごろの生活では植物は色をもたらす主な物質だったため、このイメージは受け入れやすかった
秋:弱い:強い 黒く淡い色。くすんだ感じの色。冬へ向けて寒くなっていく秋のどんよりしたイメージ
冬:弱い:弱い 黒く濃い色。抹茶色やワインレッドのような深い色で、渋い色。暗く寒い冬のイメージ。冬野菜や根菜の色とも一致する

リディアの日は春週の最初なので、明度は強い系列を使い、彩度は弱い系列を使う。すなわち明度は100%で、彩度は28.5%となる。同様にオヴィの日は94.5%と34%である。次週になりラルドゥラの日になると彩度は強くなり、明度はふたたび強い系列を使うので、明度が100%で彩度が100%となる。すなわち純色や原色はラルドゥラに現れる。

・5度刻みの色相

ふたたび色相について。彩度と明度は28.5~100%の値を取る。すなわち人間の目が有彩色と認識しやすい変域を取る。
一方色相は上記のままでは12色しか取れない。彩度明度と比べてパターン数が少なく、色の無駄遣いともいえる。しょせん彩度と明度を5.5%ずつ落としていっても人間の目にはそんなに大きな違いは感じない。さらに色相も少ないともなれば、伝統色は似たり寄ったりの色ばかりに感じられる。
そこで色相をより多く使うようにしたい。例えばコノーテの黄緑を0°とすると、セイネルスは30°である。すると10°や20°の色味は使われないことになる。ここに無駄がある。そこでリディアの日は0°、オヴィの日は5°、クリスの日は10°と5度ずつ刻む。
メルの日で30°になるので次月のリディアの日と同じ色相になってしまうが、両日は互いに明度と彩度が異なるので色が重複することはない。
ラルドゥラの日になったらまた0°に戻す。つまり曜日ごとに基準となるその月の角度に何度プラスするかが決まっている。velmの曜日ならプラス0°で、ervaならプラス5°である。
こうすることで色相を360°中72段階も使えるようになる。また、同じ色相がふたたび出るまで7ターンかかるため、色の見分けがしやすくなり、似たような色が減る。これだけ数値が離れれば人間の目にも区別しやすい。

・明度の入れ替え

さて、上記の容量で配置していくと、夏冬週の明度と彩度が100/100、94.5/94.5、89/89のようにゾロ目ばかりになってしまう。
これでは色に変化が少ない。なるべく色をバラけさせないと、「伝統色が扱う色の範囲は狭くて使えない」ということになってしまう。そこで下記の日付の間で明度を入れ替える。こうすることでゾロ目が減り、色がバラけ、色域が広くなる。

ovi:ruuj
ryuu:zana
gil:mik
umtona:kunon
lina:axx
relezona:pinena

ところでgil:mikとrelezona:pinenaは入れ替えても一見意味がないように見える。ところが一カ月分のカラーチャートを作ると意味が見えてくる。
明度を入れ替える前の状態でカラーチャートを作ると、綺麗にグラデーションする。綺麗なのは良いが、色に日々の変化が感じられない。日々の色といっているのに「今日は群青色。明日は微かに今日より薄い群青色……って結局群青色じゃん!」ということになってしまっては、今日のラッキーカラーとかテーマカラーといった文化も育たない。そして何よりつまらない。ということはrdでも民衆にも広まらず、未来に残らない。

そこで、なるべくカラーチャートが市松模様になるように、色をバラけさせる。同じ青系統の月の中でも「今日は群青色、明日はペールブルー、昨日は紺色」というような変化があるほうが受け入れやすい。
また、こうすることで毎日の変化を感じながら、しかして「今月のテーマカラーは青」というような使い方ができる。つまり月単位で色を使い分けたい人にも、毎日使い分けたい人にも資する。また、春夏秋冬週の違いがあるので、週ごとに使い分けたい人にも資する。さらに半月ごとにアルシェとソーンでテーマが変化するので、半月ごとに使い分けたい人にも資する。
そういうわけでチャートを市松模様にしたいのだが、それにはここで述べた明度の入れ替えが必要である。

・色相の昇降

実はこれだけではまだ綺麗な市松模様にならない。そこで色相のプラス補正についても昇降を与える。
今のところリディアの日がプラス0°でメルの日がプラス30°であった。補正値は昇順である。
これを春秋週に関しては逆転させる。つまりメルの日がプラス0°で、リディアの日がプラス30°である。
一方、夏冬週はそのままとする。これは夏がラルドゥラの日を含み、ここに原色や純色が現れるためである。この日に色相補正をしてしまったら、例えば黄色の月に黄色の純色が出ないというおかしなことになってしまう。

・色の演繹

以上を踏まえ、melselの色を求める。dia diaなので、色相は紫。色相の補正はリディアの日なのでプラス30°。明度は100%、彩度は28.5%である。このようにして論理的に個々の日付の伝統色を求めることができる。
地球ではH=270°、S=28.5、V=100で計算する。このときのRGBは#DAB6FFで、10進数では218・182・255である。具体的にはピンクがかった紫となる。
またdiaselはzan ralなので、色相はセイネルスの黄。ラルドゥラの日なので純色が現れる。HSVはH=60°、S=100%、V=100%。RGBは#FFFF00であり、10進数では255・255・0である。これは純色の黄色に等しい。つまりディアセルは真正の黄色ということになる。記念日としては分かりやすい。

・明度/彩度

dia:100/28.5
vio:94.5/72.5
lis:89/39.5
gil:83.5/83.5
ful:78/50.5
dyu:72.5/94.5
mel:67/61.5

ral:100/100
zan:94.5/56
pal:89/89
mik:83.5/45
fav:78/78
ruj:72.5/34
ser:67/67

rav:28.5/100
tan:34/56
lin:39.5/89
rez:45/45
jil:50.5/78
din:56/34
ket:61.5/67

len:28.5/28.5
lax:34/72.5
nen:39.5/39.5
pin:45/83.5
mat:50.5/50.5
kun:56/94.5
mir:61.5/61.5

・色相補正(四季週\曜日)

velm erva satii teeve beezel ilva part
axte 30 25 20 15 10 5 0
flea 0 5 10 15 20 25 30
alis 30 25 20 15 10 5 0
xier 0 5 10 15 20 25 30

・ルージュの月

ルージュの月は本来無彩色のために用意された月だが、実は白から黒まで28段階に分けると細かすぎて隣同士の色をふつうの人間が識別できないという問題がある。色の本を見ても無彩色のページは28以上あるので、一見すべて命名できそうに見える。だがそのほとんどはグレイに赤や青などの色味が入った色で、厳密には無彩色でない。そして色のついた灰色なら毎月エンナの日辺りに出現している。
純粋な無彩色だけで28段階というのは現実的でなく、せいぜい半分の14段階だろう。これだと人間の目にも区別がつく。さらにいえば、5°などの有彩色は各色相ごとに4色しか存在しないのに、無彩色だけその7倍の高分解をするというのはアンバランスである。
そこでルージュの月のソーンの週だけ使って無彩色を示す。ruj ravが純白で、ruj mirが真黒となる。

するとアルシェの週が余るが、ここに45°の倍角色を納める。
アルミヴァの12色相は方位に例えるなら12方位に相当する。12方位というのはよく考えると東南や北西といった45°の倍角が表現できないという欠点がある。
ということは色相環にも同じことが言える。赤と黄緑という起点となる色のちょうど間の色が表現できないという事態に陥る。赤と黄緑の間は45°なので、実はセイネルスの月のテーヴェの曜日に出ている。しかし明度と彩度の組み合わせ上、純色は出ない。そこで下記のように45°倍角色を配置する。なおこの角度は幻天での値なので注意すること。例えば幻天で135°は地球では315°になる。

dia h=45, s=100, v=100
vio h=45, s=64.25, v=64.25
lis h=45, s=28.5, v=28.5

ful h=135, s=100, v=100
dyu h=135, s=64.25, v=64.25
mel h=135, s=28.5, v=28.5

ral h=225, s=100, v=100
zan h=225, s=64.25, v=64.25
pal h=225, s=28.5, v=28.5

fav h=315, s=100, v=100
ruj h=315, s=64.25, v=64.25
ser h=315, s=28.5, v=28.5

さて、こうするとgilとmikが残る。
その前にrezとpinを名付けよう。rezは銀色で、pinは鉄色である。となるとここに金と銅を足して、アルバザードで重要な4つの金属を縦軸で揃えたい。日本の折り紙でよく金銀が入っているが、アルバザードでもやはり金銀銅鉄のような色は特殊な色として扱われるため、こうしてルージュの月に特別な色として加わる。
gilを#B87333の銅色とし、mikを#FFD700の金色とする。もっとも金などは光沢ありきの色なので、ここではあくまで黄色の一種に見える。このように並べていくと、巧い具合にアトラスの歴史の中で発見された順序に上から並ぶ。しかも縦軸はテーヴェの曜日であり、テーヴェは土の属性で、鉱物はここに入る。非常に興味深い配列である。

残ったaxetとteemsについて。
axetには彼らが使用していた公式色のxisを宛がう。#002200である。
そして最後のteemsには、rdで伝統色を作ったファミイの定めた恋色で、#F8DAD2である。rdで共同研究者のセレンは最初この色は悪魔の日の色としてピンと来ないと考えたが、ファミイが研究の最後に自分の気持ちを託した色のことだと気付く。これが最終的に未来のミロク=ユティアに繋がる。

・伝統色成立の経緯

smでkaoxist kulnorsがkaolinを開発。染料や画材の色を安く提供し、財を築く。
rdになるとsmで発達した錬金術のおかげで、自然物を使った顔料がkaoxistのころより豊富に採れるようになる。種類も豊富で値段も下がってきたため、相対的にクルノース家の売り上げが落ちる。
問題はkaolinが扱いづらいことにあった。アナログで色を作るので、匙加減ひとつで色が微妙に変わってしまう。従ってひとつの色で糸や粉に色をつけるのは難しく、クライアントの注文した色にならなかったり、色がまだら目になってしまうことがあった。そのため自然顔料も需要が残っていた。この頃は自然顔料によるものを獅法色、kaolinによるものを魔法色と呼んでいた。

1593年、時の当主mimoza kulnorsは経営不振に悩んでいた。当時は折しも貴族批判がなされていた時代で、ミモザは自分たちが庶民派であることをアピールするため、長女ファミイをアシェルフィ校へ編入させる。リディアやセレンと同級生になる。
1594年、ファミイは席替えでセレンの隣になり、話すようになる。同年ファミイが学校帰りに誘拐される。クルノース門外不出のカオリンの使い方を吐かせるためである(どのみちまだ伝承していなかったの無駄だったが)。居合わせたセレンがこれを助ける。このことでファミイはセレンに好意を持つようになる。
1595年、ファミイはセレンを誘って部活を始める。色と魔法の関係について研究する色魔法部を設立。部員は2人のみ。
1596年、ファミイはアシェルフィ高等部へ進学。同セレン。
1598年、ファミイは高等部を卒業。ミモザからアマンゼ家へ嫁ぐことを命じられるがこれを拒絶し、大学進学を望む。進学と引き換えに、ミモザの命令で一年花嫁修業を行う。
1599年、ファミイ、アルナ大へ進学。セレンと連絡を取って色魔法部を存続。
1603年、ファミイはカオリンをミモザから伝授される。
1605年、ミモザからふたたびアマンゼ家へ嫁ぐことを命じられるが再度拒絶。色魔法部の成果を出すことに注力しはじめる。
1607年、色魔法部がsaikanを開発。実用に向けて調整に入る。
1610年、サイカンが実用ベースに乗る。kaoxistの提唱したverimとサイカンを用い、xistinaを制定。verimを使って色相と明度と彩度を定め、それを規則的にメル暦に配置。各日付の色はHSVで定められたが、実際使うのはサイカンであるため、当時リュウが作っていたコンピュータを使ってHSVをRGBに変換した。本には伝統色をHSVとRGBの両方の値で登録し、それぞれにアルカで色名を付けた。伝統色は3種ある。1つはこれまでアトラスが用いてきた獅法色。1つはそれに近い魔法色。最後は魔法色オリジナル。1番目のものはxisのように元の名を残した。2番目のものは元の名前を残しつつ、元の色を魔法色に合わせた。例えばerfiはこのころ完全に「これはこの色だ」と決められていたわけでなく、「おおむねこういう感じの色だな」という風に決まっているだにすぎなかった。その見本色はクルノースが書籍にして保有していたが、魔法色がそれと少し異なる色の場合、色の値が数値的に分かる魔法色を優先したほうが後々合理的である。そのためこちらを正しい色とした。従ってerfiなどはそれまで考えられていた色と少し異なることになる。この辺りは地球でも似たようなことがあった。3番目はもともと自然物では出せない色なので、色魔法部が新たに命名した。従ってxistinaには3つの命名パターンがある。
同、ミモザが結婚への最後通告を出す。ファミイは覚悟を決めるが、xistinaの最後の色に想いを託してセレンに送った。もともとteemsの色は候補がなく、決めあぐねていた。セレンはファミイのシステムなので最後は自分の好きな色を当てればいいと言った。ファミイはそれにhatiaと名付け、結婚前日にセレンに送った。
これを見たセレンはファミイの気持ちを知って諭しに行く。これ以前にもファミイは彼を初めて意識した日(fav vio)にlatyuul e velgarと名付けるなどしてささやかにアピールしていたが、セレンが気付くことはなかった。
hatiaによってようやくファミイの気持ちを知ったセレンはこのときファミイにカモミールの花を渡している。結局セレンは断り切れずに事が起こる。
リディアはこのことに気付いたが、ファミイの気持ちを中学のころから知っていたので耐えた。
同、ファミイはevel amanzeと結婚。
1611年、サイカンによってまだら目もなければ失敗もない色で糸や粉を塗ることができるようになった。この年には色を付けた繊維や衣服や画材や顔料の生産が完了。366ものカラフルな色を確実なクオリティで安価に提供ともなれば、当時のアルバザード人が食いつかないはずがなかった。さらに366日に固有の色を設けたおかげで「今日のテーマカラーを!」「あなたのパーソナルカラーを!」という売り文句ができ、これも売り上げに貢献した。また、これによってメル暦の国民の間での認知度が上昇した。イムル暦でも使えるのだが、xistinaはもともとメル暦に合わせてあるのでこちらのほうが圧倒的に使いやすい。むろんメル暦が認知されたのはアシェットの知名度も大きい。こうしてクルノース家は建て直された。
同、ファミイが娘のxionを出産。

・伝統色の訳語

伝統色は色魔法部がverimを使って色相と明度と彩度を定めたものがもとになっている。最終的にはサイカンを使うのでRGB値も定める。
それまでの獅法色と重なるか近ければそれまでの色名をそのまま使うかアルカに訳せば良い。しかし1677万色から366色しかピックアップしていないので、既存の色とかぶる確率は圧倒的に少ない。そこでかぶる色ないし近い色がなければ新たに単語を作ることになる。
さてそうなると幻日辞典のほうにも同じ問題が起こる。地球の色と近いものがない場合は名前の付けようがなく、セレンが日本語で適当に訳語を付けねばならない。例えばdia diaは#DAB6FFで218・182・255だが、『色の名前507』という書籍でこれに近い色を探しても見当たらない。これより色数の多い本はあるのだが、RGB値が載っていなくて参照しようがなかったり、値があっても肝心の色名がなかったりして使い物にならなかった。
むろん#DAB6FFをグーグルで調べれば何かしらはヒットする。しかしこれは特に名前が定まってない色で、訳語の設定には役立たない。さらに#DAB6FFに近い色でかつ名前が付いている色も見当たらない。
こういう例が多いので、日本語の色の名前を幻日の訳語欄に設けるのは無理がある。近い色がなくあっても無名だったりするからだ。だがこれは考えてみれば当然で、1677万色の中から他方は366色で他方は507色しか選んでいないのだから、そもそも原色などを除いてかぶるはずがないのだ。
#DAB6FFに無理に近い色を当てることもできる。例えばフレッシュピンクは上掲によると228・198・200でまだ近い。しかし10・16・-55も違っているのに「はいこれはフレッシュピンクですよ」で良いわけがないだろう。そんないい加減なことではユーザーを混乱させるだけだ。
なお、色詞についてはvelgaren参照。

seliit
[伝統色]ライラック:大切なもの:#DAB6FF:dia dia

このように、日本語の色名はあくまで捨象する。ところで捨象すると逆に良いこともある。
地球だろうとアトラスだろうと命名のセンスはそんなに変わらない。植物などを語源とすることが多い。
このライラックという色名だが、実は地球にもあるのだ。しかしそれは191・171・200であり、seliitの色ではない。アトラスにも同じライラックという名前の色があるが、別々の世界なのだからその色が地球の色と同じなはずがない。かといって地球に遠慮してライラックという色名を避ける理由もない。
もし日本語の色名も併記した場合、seliit以外のどこかの箇所でまたライラックという言葉が現れる可能性が高い。これでは非常に混乱を招く。そういう意味では日本語の色名は捨象してアルカの色名の訳語のみに限定することには理がある。

・システィナ表

別途pdfを参照のこと。

・色の命名

rdまでの歴史を反映して作られる。
まず、meldiaなど、色の名前そのものを指すタイプがある。
次に、diltやdepiのように物そのものを指すタイプがある。
地名やアイテムなども含まれる。ヴァストリアの場合は刃や棒の部分の色を取ることが多い。
ほかにも校章や象徴色など様々である。
名前はルティア語のもの(la fon j'eliizel
)やディミニオン語のもの(mazel tan heist)なども含まれる。

・色の違い

tessa(抹茶色)といっても、すべての抹茶がその色ではない。光源や部屋の明かりによっても違うし、茶葉の量によっても異なる色が出る。なのでtessaは必ずこの色になるというわけではない。adisantも同様で、まったくあの色でなければならないというわけではない。
また、imelのように、固有の伝統色で限定する語義がある一方で黄色系の色を漠然と指す単語もある。
xistinaは色を限定する能力があるが、現実に存在する抹茶なり栗なりといった色は当然千変万化である。アルバザードの栗はすべてこの色なのだというように杓子定規に考えないこと。

・拡張

nimの項の語法にあるような形容詞を使ってxistinaを拡張することができる。例えばfarrenより明るいがfortisより暗い色などを表す場合にfarren firtなどということができる。
同様にla san j l'almi(ラ サン ジュ ラルミ)を暗くするとbeezelatに近づく。
【成句】
xistina isfelia あなただけのカラーを:十人十色、千差万別。システィナを売り出したときのキャッチコピーから。

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