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人工言語の作り方

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人工言語学研究会

人工言語で感情を起こせるか

「人工言語は機械的に作ったものだから、そんなもので感情を起こせるわけがない」という暴論が昔はあったようです。
実際には人工言語だろうが自然言語だろうが慣れてしまえば同じです。

例えば貴方がフリジア語を勉強し、フリジア語の小説を読んで感動したとしましょう。
その後「実は貴方が習ったのはフリジア語ではなくエスペラントだったんだよ」と言われたとしても、感動した事実は消えませんよね。
学習者にしてみればそれが自然か人工かなど知った事ではないですし、そもそも知らなければそれまでです。

筆者の場合、最初のうちはアルカを読んでも頭の中で日本語に翻訳していました。
それで感情が起こったとしても、どちらかというとそれは日本語が作った感情だと思います。
しかし慣れてくると脳内でいちいち日本語に変換しなくなります。英語と同じです。
この時点で起こった感情はアルカで感じた感情といって良いでしょう。

個人的な話になりますが、アルカで喜怒哀楽を感じることに対して不思議だなと思ったことがあります。
アルカというのは自分たちがいなければ存在しなかった言語です。ただ音を組み合わせてできただけの存在です。
にも関わらず自分たちはその音の羅列に喜怒哀楽を感じます。自分が生まれてなかったらただの意味不明な音波にすぎないのに、その音波を聞いて泣いたりできるわけです。
英語は別に筆者がいなくても存在したわけですが、アルカは違います。一時期、なんだかそのことがとても不思議に思えました。

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