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人工言語学

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説明的な造語とリマインダー的な造語

 言語には説明的な造語とリマインダー的な造語がある。
 
 説明的な造語とはその後を見ただけで意味のわかるもので、英 tea cup(茶の椀)、独 Nachtfalter(夜の蝶)、仏 pot-au-feu(鍋を火の中へ)、中 星期一(第一の曜日)、日 右足、幻 soxgand(バスジャック)などの類である。
 リマインダー的な造語とは、語形からでは意味を推測しきれないが、語形を見れば意味を思い出せるもので、ラテン語やギリシャ語起源の単語によく見られるため、事実上英語の語彙の多くはこれに当てはまる。例えばdestroyは下に(de)積み上げる(stroy)から成り、ラテン語ではdestruereと言うが、「下に積み上げる」から「破壊する」という語義は出てこないが、この語義を思い出させるリマインダーにはなっている。

 説明的な造語による言語の最右翼は中、日、独であり、リマインダー的な造語は希、羅、幻に好まれる(むろん仏 pomme de terreのように一つの言語が複数の造語センスを持つことはある。ポトフは説明的な造語でジャガイモはリマインダー的な造語である)。
 説明的な造語のメリットは言うまでもなくそのわかりやすさだ。デメリットは独のように語形が長くなること。人工言語の運用上はよろしくない。
中日は同音異義語が多く口語での誤解のリスクを取る代わりに語形は短い。リマインダー的な造語のメリットデメリットは上記の逆である。

 さて、アルカはよく使う単語はリマインダー的な造語で、そうでない語は説明的な造語という傾向が制以降伝統的にあるので、俗の造語者にはこの傾向を共有していただけると助かる。
 しかるにタンタンメンにはafixvesalettanx(辛い胡麻のラーメン)と説明的な造語にするよりはbeezeltanx(ベーゼル麺)とリマインダー的な造語にしたほうがアルカらしいのではないかと思えるのである。

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