Copyright (C) 2011 人工言語学研究会 All Rights Reserved.

人工言語の作り方

Contents Menu


初級編

序文

人工言語とは

言語の作り方

応用編

続・人工言語

人工言語Q&A

高度な作り方

回顧録

付録

読書案内

人工言語学研究会

単語が多いと大変!作るのも覚えるのも楽できないかな?

覚える単語を減らす方法を筆者は語彙圧縮と呼んでいます。
語彙圧縮にはいくつかの方法があります。

1:アプラウト

母音を規則的に変えて反対語を作る方法です。
例えばsaが「前」だとすると、siは「後ろ」になります。
同じくhaが「上」なら、hiは「下」になります。

これの欠点は聞き違いに弱いことです。実際、言語を運用するには頼りないです。
この手法は英語のfootとfeetのように数の違いなどに留めたほうがいいでしょう。
語義が真逆になるような単語に適応するのは厳しいです。

なお、母音でなく子音を変化させる方法でも語彙圧縮は可能です。

2:接辞

axmaが「論理的」だとして、接頭辞al-が反対語を作るとします。
この場合、alaxmaで「非論理的」になります。
エスペラントは接頭辞mal-を用い、この語彙圧縮法を採用しています。

これの欠点は反対語が冗長になることです。
エスペラントで「左」はmaldekstraと言います。leftに比べて倍以上長く、冗長です。
また、接頭辞を聞き逃すと逆の意味に取られます。

3:置換規則

例えばkはt、aはi、gはdにそれぞれ対応するというような置換規則を作ります。
kagが「裕福」だとしたら、この規則に従ってtidは「貧しい」になります。

この手法は聞き間違いに強く、かつ単語も冗長になりません。
これの欠点は置換規則を覚えるのが面倒だという点と、置換後の単語の音が気に入らないことがあるという点です。

Tweet