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人工言語の作り方

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初級編

序文

人工言語とは

言語の作り方

応用編

続・人工言語

人工言語Q&A

高度な作り方

回顧録

付録

読書案内

人工言語学研究会

人工言語とは

●人工言語とは

英語や日本語など、自然とできた言葉のことを、自然言語といいます。
逆に、誰かが意図的に作った言語を人工言語といいます。

「日本語だって日本人が作った言語だから人工言語じゃないの?」という疑問がよくあります。
民族単位で作った言語は通常人工言語にカウントされません。
「水という単語は『ミズ』と読むようにしよう」というような打ち合わせを、日本人はやったわけではありませんよね。
自然と民族が作っていったものは、除外されます。

●どんなものがあるの?

一番有名なのはポーランドの眼科医ザメンホフが作ったエスペラントです。
人工言語は意外と多く存在します。前世紀で既に1000以上の人工言語がありました。
筆者が作っている人工言語アルカもその1つです。

●人工言語を意味する類義語

人工言語、架空言語、創作言語、計画言語、人工語。これらは少しずつ意味の異なる術語ですが、いずれも人工言語の類義語です。

人工言語は英語では一般的にconlangといいます。constructed languageの略です。
類義語が多いのは英語圏も同様で、artificial language, planned languageといった呼び方があります。
一方、自然言語のことはnatural languageを縮めてnatlangといいます。

●人工言語にはどんな種類があるの?

例えば民族間の言語の壁を無くすことを目的とした言語や、小説の世界観をリアルにすることを目的とした言語などがあります。
目的は様々ですが、いくつかに分類できます。以下に代表的なものを挙げます。

1:auxlang(国際補助語):共通の母語を持たない人々の間で言語の壁を壊すために作られた言語。エスペラントなど。ただし現実には国際補助語はフランス語や英語や中国語など、時代ごとに有力な国家の言語が担っている
2:artlang(芸術言語):小説などで用いられ、異世界や異星人の言葉として作られる言語。トールキンの『指輪物語』などに登場する
3:engelang(工学言語):言語が機能するかどうかを試すために実験的に作られる言語。哲学的言語(philosophical language)や論理的言語(logical language)といった内訳がある

その他にも秘密の暗号として作られた言語や、C言語のようなプログラム言語も、人工言語に含まれます。

人工言語の中で数が一番多いのは国際補助語で、一番有名なのも国際補助語です。
ただし現在最も数が増えているのは芸術言語です。ゲームや小説などの雰囲気を出すために作られる頻度が前世紀に比べて増えているためです。

●かつて人工言語ブームがあった!?

あったんです。17世紀ごろに人工言語のブームがあり、たくさんの人工言語が作られました。
なんとデカルトやライプニッツといった有名な学者たちも人工言語に携わっていたのです。

ちなみに、その頃作られた言語の多くは国際補助語に分類されるものです。当時ヨーロッパでは共通語が求められていたのです。
ところがヨーロッパでフランスが強くなるとフランス語が事実上の国際補助語になったため、人工言語のブームは終わりました。
国際補助語は特定の国家が強い時代には減り、そうでない時代には増える傾向があるということですね。

今は英語の時代ですが、今後英語が徐々に弱くなり代わりに中国語が台頭したとしても、すぐに中国語が国際補助語になるわけではないため、世界の片隅で小さな国際補助語ブームが起こるかもしれません。

●プログラム言語も人工言語?

はい。C言語もBASICも人工言語の一種です。
人工言語学では人工言語の歴史について説明していますが、ここを読むと実はプログラム言語は人工言語史から生まれたものだと分かります。
人間用も機械用も、元は同じだったんです。

現在、人間用の人工言語とプログラム言語は、だいぶ内容や体裁に差が開いてきました。
なお、このサイトでは主に人間用の人工言語について説明しています。

●身の回りの人工言語

このサイトに来ている皆さんは、エスペラントは確実に聞いたことがあると思います。
では、ほかに人工言語はどのようなものがあるのでしょう。実は意外とゲームなどで使われています。

ただし、あくまでゲームのスパイスなので、作り込みは深くないというのが共通の特徴です。
言うなれば、レトルト人工言語です。

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