リアルファンタジー小説『アルディア』

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2012年1月29日

 400年前のこの日、オーディン時代の救世主セレン=アルバザードはリディア=ルティアのために生きることを今まで以上に強く誓ったそうだ。

2012年1月30日

 セレンは手術を受けた。人生初の手術だ。
 麻酔が切れたあと、耐え難い痛みが襲ってきた。格闘技で殴られることに慣れている彼が痛いと音を上げるレベルだ。
 メルはそんなセレンを終始心配していた。
 その後もセレンは現代魔法学関係の人間には手術のことを言わず、平静を装って生活した。

1992年2月4日

「今日はわたしが夕飯を作ったんだよ」
 アシェルフィの家でリディアが言う。セレンとリディアとオヴィとリーザが食卓を囲んでいる。今日はシチューだ。
 セレンは一口食べ、そのあまりのまずさに閉口した。
 オヴィが「なんだこれ、まずくて食えたもんじゃねぇ!」と言うと、リディアは「ぶー、なによそれ!」と言った。
 リーザは一口食べると残念そうな顔をし、「リディアさん……もう少しお料理がんばりましょうね……」と言った。


 原文

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