ランジュ – 2013年6月27日 1/3

2013年6月27日

セレンはフェリシア大のほたる池のベンチに座っていた。時間は11時に近い。
ちょうど十年前、セレンはクラスメイトのエスタという女とこの場所で付き合った。
言語学のゼミで知り合った子で、言語学の演習で一緒になったのはこの年が初めてだった。
他の授業で顔と名前は知っていたが、初めて話したのはその一年前で、授業でペアワークをしたときだった。その後クラスの女子に「うちの学年で誰が一番頭良いか」と聞いたら、その子は「エスタさんかな」と答えたので、何となく興味を持った。

言語学の演習がきっかけで授業後も話すようになり、それからわずか2ヶ月あまりの6月27日に付き合うことになった。
エスタは卒業後はヴェマに行こうとしていたが、セレンは大学に残るよう願った。男がいれば残る理由になるかと思い、男を紹介しようとした。しかし彼女は興味がないと言った。
セレンが最後に「俺でもいいから」と言ったら、彼女は「セレン君ならいいよ」と言った。セレンは照れ隠しのつもりだったので「え……?」と意外そうに聞き返した。すると「私、セレン君ならいいよ」と言った。
「それって付き合うってこと?」と聞いたら「うん」というので、じゃあ付き合おうかという話になった。
ちゃんと告白しないとよくないなと言ってセレンが「好きだ。付き合おう」と言ったら彼女も同じように返した。ちゃんと告白して女の子と付き合うのはこれが初めてだった。
その日、フェリシア駅の前でキスをした。彼女にとっては初めてのキスだった。
それから1ヶ月もせず、彼女にとって初めてのセックスをした。彼女の方からホテルに誘ってきて、カリーズ駅の近くのホテルでした。何時間も掛けてゆっくり広げていったので血は出なかった。

その後付き合いは順調に進み、メルはどんどん塞いでいった。そして次の3月には結婚した。

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