2014/12/1記
2014年11月に下記の調査を行った。
被験者は日本人2名と韓国人1名。次のA,Bの図に対し、アルカでtil,evと言えるかについて容認度を○△×で表してもらった。
結果、日本人ではBはtil,evともに○だったが、韓国人のみがevを△とした。日本語ではA,Bともに「のせる」である。よってev(のせる)という語は、A,Bどちらにも○となった。
ところが韓国語ではAはイダだがBはトゥルダで、トゥルダは日本語の「持つ」に相当する意味の広い語である。つまり韓国人の目にはAは「のせる」で、Bは「持つ」に見えるということである。
ここで問題なのは、韓国人のアルカユーザーがBに対しevは△と回答した点である。これは韓国語の語法を反映している。
すなわち3人の被験者はアルカの語法ではなく、母語の語法に則って○△×を定めたということになる。つまりtilをtil、evをevのまま理解しているのではなく、til→持つ/トゥルダ、ev→のせる/イダといったん母語に置き換えて覚え、幻文を作る際は母語の語法をそのまま当てはめ単語と文法だけをアルカにしているのである。
これの何が問題かというと、異なる母語を持つアルカユーザー間で齟齬が生じうるということである。これはアルカだけでなく英語でもエスペラントでも起こる問題である。ただ自然言語の場合ネイティブがいたり適切な語法について記した書物が基本的にあるため、単なる学習者側の不勉強で済む。しかし人工言語の場合そうはいかない。
アルカは新生までは20年以上かけて体得してきたアルカの語法の会得者がいたため、彼らの存在に適切な語法の運用を依存していた。しかし俗以降事情が変わり、主なユーザーは語法の体得者ではなくなった。そのため書物で学習する必要が出たが、体得者に依存していた新生の時代に彼らが自身の身につけた語法を辞書に明文化して残してこなかったため、アルカの語法の習得が不可能になり、アルカは一気に不完全な言語となってしまった。
この状況を打破するためには、体得者がアルカの辞書であるdk(ディアクレール)に語法を明文化することが必要であり、2014年末からdkの強化プロジェクトが人工言語研究会(レヴィアンクレール)内でプロジェクトクレールとして持ち上がった。
参考にしてください。
1: 全てのページがW3Cに適合していないので、修正が必要である。
2: リンク集は古いものが増えているため、2014年まで活動していた、もしくはしているサイトに限定すべき。
3: 人工言語学研究会系サイトのテーマ毎にサイトデザインが異なっているので統一すべきである。
ご指摘ありがとうございます。参考にさせていただきます。
実のところ、公式サイトは近々(~今年のディアセル)全面的に再構築する予定で内々に進めております。