人工言語学事典記事:【演劇より生活 】
2016/3/29 seren arbazard
カテゴリー:音論
〈俳優制限〉で短編映画『魔法堂ルシアン』が『紫苑の書』ほど受け入れられなかったと述べたが、もしかしたら人工言語屋にとっては台本のある映画よりも日常会話を自然と人工言語でしている動画のほうがインパクトがあったのかもしれない。
セレンとしては普段の生活を録音してupしてそれが何になると考えていたので、ルシアンをわざわざ撮影したのだが、生活音のほうがいいのならセレンとリディア、セレンとネイティブのルシアの話している音声をupしたほうが良かったかもしれない。
2013の時点でセレンが持っていたアルカの会話を録音したデータの中で音声を再生できた最も古いのは、2005頃にセレンとエスタとパルサーが”tu et to?”というゲームをしていたときのものだ。この時代はまだスマホが無いので、ICレコーダーで録った。
3人のうち1人があるものについて当時の中期制アルカで説明する。残る2人はその説明を聞いて何のことを言っているのか単語を当てるというゲームだ。国語辞典ないし百科事典的知識をアルカで言えないと成立しないゲームなので、人工言語を使った遊びとしては極めてレベルが高い。
アルカを身内以外に公開しない方針は2005年にセレンが破るまでリディアもエスタもみな一様に持っていたし、セレンのネット進出後も身内は誰ひとりとして協力しないという方針だった。
しかもこの遊びを録音したときはまだセレンすらネット進出をしていない時代だ。なのでなんでわざわざこんなものを録ったかというと、世間に対する公開とかではなく、単に「後で聞いてみたら二度笑えるぞ」という下らない理由だった。
セレンがネットに進出してから身内はupされるかもという不安で、セレンに録音や撮影をさせないよう圧力をかけていたが、当然セレンはこっそり時折会話を録音していた。
アルカでの会話をupしたほうがルシアンより人工言語屋の心を動かしたのではと考えると、何のために大金をつぎ込んで映画を作ったのかわからなくなる。
注。アルカの会話を録音したもので最も古いのはセレンも使っていた留守番電話のテープである。この電話はバグなのか仕様なのか、録音モードにしたまま電話をすると会話の内容を取ることができた。
このやり方を2つの機種で行った。1994のセレンとフゥシカ(中2)とリディア(小4)らの幼少期の声がわかるのだが、電話機の買い替えとともにこのテープを再生できなくなってしまい、やがてテープもどこかへ行ってしまった。