人工言語学事典記事:【保険の「など」】
2016/3/29 seren arbazard
カテゴリー:表現
日本人は物事を並べて例示する際、「A、B、Cなど」のように「など」をつけることが多い。「など」は英語ではand so onだが、英語文を見ているといちいちand so onをつけることは少ない。
日本語の「など」は「A、B、Cしか思いつかなかったけど、万一Dがあって、そのことを後で指摘されて糾弾されたらやだなとか、逆にあとあとDという都合の良いものが出てきたらサクッと取り入れたいな」という心理から、保険として付けられることが多い。
日本語の考え方は「全列挙」で、漏れがないか気にする。英語やアルカの考え方は「例示」で、だから”like A, B”のように使われ、and so onをいちいち付ける必要がない。
アルカもt, k, x, s wenとするよりova t, k, x, sとするほうが自然である。
日本語と英語の表現法の違いを知らないから日本人はand so onを使いまくり、ネイティブから「変な言葉遣いだな」と思われる。
自然な英語を身につけるには表現法も必要なのだが人工言語はおろか自然言語の教育現場でも表現法を微細に説明することはほとんどない。