ランジュ – 2014年3月8日 3/n
「あのね、お兄ちゃん、率直に言っていい?」 「なんだ?」 「お兄ちゃんてさ、いつも極端なのよ。もっと現実的な革命案にしないとゆくゆく自分でもこんなはずじゃなかったって思うようになるよ」 「じゃあどうしろと?」 「レナスル …
「あのね、お兄ちゃん、率直に言っていい?」 「なんだ?」 「お兄ちゃんてさ、いつも極端なのよ。もっと現実的な革命案にしないとゆくゆく自分でもこんなはずじゃなかったって思うようになるよ」 「じゃあどうしろと?」 「レナスル …
「うーん……」メルは眉をひそめる。「ユマナのルシアやユルトってさ、悪人は全て殺してしまえと思うような人間なのかな? 「どうだろう。そういう子ではないんじゃないかな。ただ悪を許せないというだけで」 「なら更正の機会を与えて …
2014年3月8日 風花院の一同は深夜0時にセレンに居間に呼び出されると、ひとりひとり手をかざされた。今のは何なのかと問うと、メジュテルを張ったという。 セレンはメルを連れ、車で北区へ向かう。孤児たちにはテレビを付けてお …
2014年2月4日 リーザに指示され、フェリシア大まで車を流した。夜の大学に来て何をしようというのか。 リーザはほたる池へ向かう。 欄干に手をかけ、暗い池を見る。かつて自分が拾われたこの朱塗りの橋の上で。 「……閉じ込め …
「あなたには使命があるんだから、こんな下らないところで下らないことしてる暇はないのよ」 別室へ連行され、リーザの差し入れたスーツを着る。 釈放だと言われた。それは気が遠くなるほど先の未来で聞くはずの言葉だった。 外に出る …
「運用はどうするの?」 セレンは机の書類を返す。 「アルナ電力が反物質を使った発電所について考察しているようだが、論文中のBEP、損益分岐点を見ると難しそうだ。リスク問題もある」 「もし反物質発電所がアトラス中にできたら …
2014年1月23日 懲役30年でヴェナカルカへ。 誰一人として出て行った後の仕打ちに関しては彼女も悪かったと認めず、誰もこちらの悔しさを理解しなかった。 むしろ苦しんだ8年に関し、長々と逆恨みして異常と言われ、罪が重く …
2013年6月30日 退院と同時に殺人未遂で逮捕。 彼女と一緒に逝けないなら恋人時代の彼女の言葉を守れない。これでいい。 だがその後刑事から死亡を告知され、目の前が真暗になった。自分は死ねなかったのに咎のない彼女は逝って …
2013年6月29日 気付いたら病院だった。 彼女と一緒に逝こうとしたのに、自分だけ生き残ってしまった。 こんな馬鹿な話があるか。これではただの犯罪者ではないか。
自分で刺しても死にきれないことが多い。痛みで深く刺せないためだ。 そこで安定剤とラム酒で鈍磨させる。電車が使えなかった場合に用意しておいたものだ。 しかし飲んですぐパトカーが走ってきた。ここにいては怪しい。通りに戻る。 …