2015/4/30 seren arbazard
人工言語づくりはボトムアップだが言語学はトップダウンである。つまり演繹的でなく帰納的である。言語学は人間が作った文を分析し、色々な文を研究し、なぜ「overeat applesと言えないか」「なぜ『私が』と言えても『が私』と言えないのか」などのテーマを持ち、その理由を音、文法、認知などを論拠に「恐らくこういう理由ではないか」と帰納する。実在の文を元に「なぜ○○なのか」に答える。なので帰納的であり、トップダウンである。発話した内容という大前提が元にあって、なぜそういう言い方をするのかを色んな文と対照して推論するので帰納的である。
言語学の扱っている音論や文法論などは人工言語の音や文法と違ってゼロから組み立てたものでなく、ありものを分析していった。つまり、人工言語はレンガをひとつひとつ積み上げて各論という塔を作るが、言語学は既に建っている塔を分解してその構造を理解するわけで、それで演繹と帰納なのだ。