人工言語学事典記事:【偽性アプリオリ】

2015/1/14 seren arbazard

アポステリオリの要素を帯びたアプリオリのこと。アルカなど。
最初に設計されたときにアプリオリを指向しておらず、途中からアプリオリを指向した人工言語に見られる。アプリオリを指向するようになった際、アポステリオリな要素は消されるが、その人工言語に深く根付いてしまってユーザーに馴染み深いアポステリオリな要素は事実上消せない。するとその人工言語は偽性アプリオリになる。

カルディアはメル暦という暦を使い、アルカで「あけましておめでとうございます」はmelkaと言うが、この言葉は感動詞であり、アルシェに始まり今やセレンと面識のないネットユーザーまでもが使っている。
melkaはメルというアルカユーザーの名から来ている言葉で、アルカにmelという人名由来の言葉がかなりある。ではこのメルというナは何から来ているのかというと、彼女の本名であるMelissaの略から来ている。Melissaはアポステリオリな単語で、そこから来ているmelもアポステリオリになる。しかし今更melkaなどを別の言葉に置き換えるのはユーザー側が容認しない。それゆえアルカは偽性アプリオリとなった。
melの他、ridiaの略形のdia、liiza(元をたどるとLisa→Elizabethに遡る)、xyon、xion(セレンの女版の和名)など、人名由来の形態素が主に偽性アプリオリを作っている。

アルカのアプリオリ性が完全でなく特に人名由来の単語が危ういと初めて指摘したのはKakisで、00年代後半のことである。
アルカの偽性アプリオリ性は架空のキャラにまで及んでいる。アルカでセーラー服はleinsだが、これの元々の語源はleinsabで、「『玲音の書』でlein yutiaが来ていたシオンの服」というところから来ている。そしてこのleinというキャラの名は”Serial experiments lain”というアニメの主人公、岩倉玲音から来ている。ゆえにleinsも厳密に言えばアポステリオリである。

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