人工言語を作る手順 ~ ここまでのまとめ

2015/4/30 seren arbazard

自然言語はありもので、言語の塔がもともと建っている。その塔を分解して音~表現法まで帰納していく。トップダウンである。
一方人工言語はスタート地点で何もなく、塔がない。ゼロだ。なのでボトムアップで組み立てる。
その結果自然言語と同じ精度の塔ができればそのカラーがトップダウンだったかボトムだったかなどはどうでもよく、自然言語ライクな人工言語を作ることができる。
人工言語が作るべきものは音~メンタルコーパスまでであり、これをボトムアップで作るのが仕事だ。
メンタルコーパスは本来トップダウンで、コミュニケーションを通して培うものだが、人工言語の場合、音声、文字、動画コーパスなどを通じてメンタルコーパスをボトムアップで作るしかない。
要するに人工言語作者のやるべきことは――あくまで自然言語ライクな人工言語を作る場合にのみ言えることだが――音~表現法、メンタルコーパスのボトムアップの構築である。
語法も認知法も解釈言語(たとえば幻日なら日本語)と異なる部分だけを辞書に記述すればいい。つまり、hanと「広い」の語義や語法が同じなら訳語を書くだけで十分で、異なっていればどう異なっているのか書けばいい。
認知法もその人工言語なりの認知法の仕方を書いておけばいい。表現法も然り。
そして音~表現法の各論を統合してその人工言語オリジナルのコーパスを作り上げ、メンタルコーパスを構築する環境を整える。

ところで自然言語ライクな言語学に則した人工言語以外については?
その場合、事実上無限の作り方があるので作り方なんて学ばないであなたが思うよう好き勝手作ればよい。
私は1000ピースから成るパズルの嵌め合わせ方を説明しているのであって、1000ピースの並べ方などほぼ無限にあるのだから、完成された絵以外の結果がほしいならあなたの好きな場所に好きなピースを埋めていけばいい。私の助けは要らないはずだ。

もちろん、自然言語ライクな人工言語以外にレーゾンデートルがないと言っているわけではない。自然言語ライクだからといって別にユーザーが増えるわけでもないし、単にelaborateだなぁと人から思われるに過ぎない。
単に私は自然言語ライクな人工言語を今まで人類が作ったことがないのでじゃあ自分が世界初になろうかなと思ってやっているわけで、アルカが完成する前に自然言語ライクな人工言語ができたら私のモチベーションはなくなるだろう。
自然言語ライクでなくたってレーゾンデートルはある。単にあなたが言葉遊びをして楽しいとかの次元のこともあるだろうし、あるいはプログラミング言語のような特定の用途を持った人工言語なら自然言語ライクでなくても道具として非常に便利なのでレーゾンテートルは大いにあると思う。

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