リアルファンタジー小説『アルディア』

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リュウの月

1992年5月5日

「この時期は毎年身体の具合が良いんだよな」
 セレンは教室で呟いた。
「え、セレン君、記憶あるの?」
「いや、ないんだけど、身体が覚えてるみたいなんだ」と答えると、リディアは「そうなんだ?」と頷いた。


2012年5月10日

 風邪を引いたセレンのベッドで、メルが看病をしていた。
「薬を飲んでも38.4℃か……。仕事は休んだほうがいいね」
「いや、行くよ。それにしてもこの時期に体調を崩したのは31年生きてて初めてだな」
「無理しないでね」メルはセレンの肩にきゅっと抱きついた。


 原文

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